理系におすすめの仕事と職種&学部・専攻別の就職活動の進め方とコツ
理系が活躍しやすい仕事を紹介するほか、就職に専門性をどう生かすか、研究と両立しやすい就活スケジュール、学部・専攻別の就活のコツなど、理系就活の進め方を網羅。企業の採用担当者が理系学生をチェックするポイントや、効率的に就活を進めるための解決策をリクナビ就職エージェントがアドバイスします。
理系学生が活躍しやすい仕事・職種9選
これまで多くの理系学生の就活をサポートしてきたリクナビ就職エージェントの経験を基に、理系学生が活躍しやすく、積極的に理系学生の新卒採用をしている企業の主な理系職種のうち代表的な9つを紹介。それぞれの仕事内容と採用に当たり企業がよく見ているポイントを解説します。 <理系学生が活躍しやすい仕事・職種9選> 1.研究開発 2.設計 3.生産技術 4.品質管理 5.SE 6.組み込みエンジニア 7.MR・臨床開発 8.金融専門職(アクチュアリー・アナリストなど) 9.営業・フィールドエンジニア 1.研究開発 研究開発は、商品の根幹となる研究を行う仕事です。要素技術開発とも呼ばれ、一般的には将来的な商品展開など、その素材が何に役立つかを考えながら研究を進めていきます。一つの研究テーマ(技術開発)が実を結ぶのに5~10年かかるケースも多い一方で、働く人数の多さが売り上げや成果に直結するわけではないため、企業は人材の育成や研究に対する投資を重視する傾向にあり、採用数の少ないポジションでもあります。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・論理的思考力:話の流れがロジカルか、理解やのみ込みが早いか。 ・研究:内容はもちろんだが、主体性を発揮しているか。自分で0から考えることができているか。 2.設計 設計は、素材、形状のデザインや機能的に問題ないかなどを一つひとつチェックしながら商品の設計図を開発する仕事です。この仕事は実製品を作成するすべての部署とかかわるため、仕事を進める上での関係者も多くなりがちです。そのため、スケジュール管理なども求められるでしょう。オフィス内で、マーケティングデータや自社技術を生かした商品の設計をPCや図面で行うことも多いようです。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:他部署との調整業務も多くなるため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。 ・研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。 3.生産技術 生産技術は、効率的に商品を作るにはどうすれば良いのか、ということを突き詰めて考える仕事です。例えば品質・コスト・スピードの面で最適な生産システムや生産ラインの計画と具現化などを行います。これまでの新卒採用の傾向を見ていると、理系総合職や技術系総合職として入社した際に配属される可能性が高い職種のうちの一つです。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:製造現場との仕事も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。 ・研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。 4.品質管理 品質管理は、顧客に提供する製品やサービスに対して、一定の品質を備えていることを保証するための検査や検証をしたり、品質向上などを目的に管理体制を整備・設計したりする仕事です。全体を俯瞰(ふかん)し、事前にリスクを回避したり、コントロールしたりすることが求められるため、工場などの現場を理解する力と、現場で働く人たちを束ねていくマネジメント力なども鍛えられるでしょう。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:社内外の関係者と会話する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるかまた、困難な状況に粘り強く取り組むことができるか。 ・研究:高い専門性よりは、基礎知識がしっかりしているか。 5.SE SEは、プログラミング開発を行うプログラマーを束ね、開発プロジェクトの一部または全体の指揮・管理などをする仕事です。企業によっては、SEとして営業職に同行し、顧客へ直接提案をすることもあります。チーム体制のプロジェクトや、社内外顧客との調整やコミュニケーションなども求められるため、仕事を要素分解し、プロジェクトマネジメントや、メンバーマネジメントをする力が育ちやすい職種と言えるでしょう。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:チームで物事を進めていくコミュニケーション力があるか。お客さまと接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。 ・論理的思考力:ロジカルに考えることができ、理解やのみ込みが早いか。また、それを人に伝えることができるか。 6.組み込みエンジニア 組み込みエンジニアは、携帯電話やデジタル家電、自動車、医療機器などのハード製品と連携させる、ソフトウェアを開発するのが主な仕事です。製品の企画構想から試作評価まで幅広い業務があります。多くの企業ではプログラミング実務から入りますが、経験を積んだ後は開発業務以外にも顧客との仕様調整や構想設計、進捗(しんちょく)管理などを担当するケースもあるでしょう。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:チームで物事を進めていくコミュニケーション力があるか。他部署と接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。 ・論理的思考力:ロジカルに考えることができ、理解やのみ込みが早いか。また、それを人に伝えることができるか。 7.MR・臨床開発 MR(医薬情報担当者)や臨床開発(CRO:医薬品開発業務受託機関)は、作られた薬が世の中に普及するまでに携わる仕事です。臨床開発職は薬の安全性を保証する治験を行い、安全と証明された薬をMR職が顧客である医療機関に売り込みます。新薬開発の成功は製薬会社の生命線と言っても過言ではなく、多くの製薬企業が研究開発に莫大(ばくだい)な費用を投じています。病院などで処方される医薬品は、テレビやポスターなどでの広告が禁止されているため、MR自身が広告塔となります。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:患者や医師と接する機会も多いため、周囲と円滑なコミュニケーションができるか。粘り強く物事に取り組むことができるか。 ・スタンス:成果を求める、貪欲な姿勢を持つことができるか。 8.金融専門職(アクチュアリー・アナリストなど) 金融専門職と呼ばれる仕事には、アクチュアリーやアナリスト、ファンドマネージャー、クォンツアナリストなどがあります。一般的にこれらの仕事は、資格の取得が必要など、一人前になるまでの道のりが長い職種でもあります。また、これらの職種を雇用している企業は少なく、採用人数の少なさもあって、狭き門と言われています。会社によっては何種類かを兼務している場合もあるでしょう。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・論理的思考力:話の流れがロジカルか、理解やのみ込みが早いか。 ・研究:大学で金融工学や統計学を高いレベルで学べていたか。資格をすでに保持していると優位な場合もある。 9.営業・フィールドエンジニア 営業・フィールドエンジニアは、メーカーなどの開発部門で開発された商品と、ユーザーや顧客をつなぐ役割を持つ仕事です。相手にわかりやすく説明をするためには、製品に関連する知識や技術習得が必要です。企業によっては、理系知識を生かして専門性の高い提案をしたり、顧客の根本的な課題解決のためのコンサルティング提案をしたりする機会もあるかもしれません。 <採用に当たり企業がよく見ているポイント2つ> ・人柄:周囲と円滑なコミュニケーションができるか。 ・スタンス:成果を求める、貪欲な姿勢を持つことができるか。