理系におすすめの仕事と職種&学部・専攻別の就職活動の進め方とコツ
理系学生の就活(仕事・就職先選び)で重要な5つのポイント
理系学生が仕事や就職先を選ぶときに、考えておいた方が良い5つのポイントを紹介します。以下の5つは、多くの理系学生が悩みやすく、決断した内容によっては就活の進め方がガラッと変わるものでもあります。漠然と就活を進める前に、少し時間を取って考えてみることをおすすめします。 ▼理系学生の就活(仕事・就職先選び)のポイント 1.大学院へ進学するかどうか 2.専攻を生かすことをどこまで重視するか 3.教授推薦・学校推薦・研究室推薦の選考を受けるかどうか 4.給与や待遇をどこまで重視するか 5.忙しい研究の合間に就職活動をする時間をどう確保するか ポイント1.大学院へ進学するかどうか 研究が忙しくて就活の時間が取れず「なんとなく大学院」を選ぶ人もいますが、大学院に進学しても1年目ですぐ就活が始まります。学部生との差別化のため、大学院での実績をアピールしようとしても、修士課程1年目では研究が本格化し始めたばかりで「〇〇学会で発表した」などのわかりやすい実績が少ないケースもあり、企業に「大学院に進学したからこそ得たスキルや実績」が伝わりにくい場合もあります。 大学院進学が就活に不利になるということはありませんが、明確な目的がないのであれば、とりわけ有利に働くこともありません。今の研究に対する自身の思いや熱量を、今一度考えてみましょう。 企業としては高い専門性が必要で大学院卒業者の方が望ましい分野や職種もある一方で、大学院卒業にはこだわらず、自社の教育・育成制度を通じて業務に合った専門性を高めてほしいと考えている場合もあります。自分が希望する仕事や就職先はどちらのケースに当てはまりそうかを企業説明会などに参加して確認してみるのも一つの手でしょう。 ポイント2.専攻を生かすことをどこまで重視するか 理系学生の就職には、「専攻を生かした就職」と「専攻外の分野への就職」の大きく2パターンがあります。また「専攻外の分野への就職」には、理系の基礎知識や素養を生かすことができる業界や企業への就職もあれば、営業や事務などのいわゆる文系職種への就職もあります。どちらを希望する場合も、自己分析で「仕事選びの軸」「企業選びの軸」を洗い出すことが重要です。 専攻を生かした仕事や職種にこだわるのは悪いことではありませんが、極端にこだわり過ぎてしまったがために、自分の志向と異なる企業や採用人数が少ない職種ばかりに応募して内定が得られない…ということがないように注意しましょう。研究や実験で培った学びや姿勢、研究プロセスに関する知識やノウハウは、専門外の業界や研究職以外の仕事でも十分に生かすことができます。 例えば、商品開発職を目指している場合は、品質管理、生産管理職などつながりがある職種にも目を向けてみると良いでしょう。また、職種名は企業ごとに定義や担当する仕事内容が違う場合があるので、希望する仕事内容ができるのはどこなのか職種名にこだわり過ぎずに調べてみるのもおすすめです。 もしも「専攻を生かせる就職先の見つけ方がわからない」「専攻を直接生かせる仕事の選考にはすべて落ちて就職活動をどう進めていけばいいかわからない」という場合には、 キャリアセンターや、就職エージェントに相談をしてみるのも一つの手です。 例えばリクナビ就職エージェントでは、理系に特化した専任キャリアアドバイザーが無料で、専攻を生かした就職サポートはもちろん、専攻外の分野への就職サポートも行っています。専攻を生かせる企業に全落ちした後に、キャリアアドバイザーと二人三脚で自己分析からやり直した結果、自分の強みを生かせる企業を新たに見つけて就職を実現したケースも多数あるので、悩んでいる場合は相談をしてみましょう。 ポイント3.教授推薦・学校推薦・研究室推薦の選考を受けるかどうか 理系学生の就活は、文系学生に比べると教授推薦、学校推薦、研修室推薦などの応募機会も多いでしょう。これらの推薦は、専攻を生かして働ける可能性が高く、また就職情報サイトなどを経由した自由応募と比べると内定までの選考プロセスが少ないケースが多いのが特徴です。明確にやりたいことが定まっていて、それが各種推薦の募集内容と合っているならば、推薦応募を選ぶと良いでしょう。研究室の先輩も多数就職しているケースが多く、先輩を参考に仕事内容や会社の雰囲気が事前につかめたり、入社後に何かと相談できたりするメリットもありそうです。ただし、基本的に内定辞退はできないため、迷う気持ちがある場合は注意が必要です。 一方、自由応募は内定を得るまでの選考プロセスは多いですが、さまざまな企業との出会いが期待できるため、より自分にマッチする仕事を見つけられるかもしれません。 ポイント4.給与や待遇をどこまで重視するか 専門性にそこまでこだわりを持たない場合、各種推薦ではなく自由応募で就活を進めることになるでしょう。その場合は、給与や待遇などの条件を重視したいという理系学生も少なくありません。給与や待遇で仕事や就職先を選ぶ場合は、「月給などの基本給」だけを見て判断せずに、ボーナスやインセンティブ(仕事の成果などに応じて、通常の基本給額に上乗せして給与が支払われる仕組み)が反映される「年収」を確認しましょう。また、基本給額が高くても、住宅手当や家族手当など各種手当がないというケースもあります。できるだけ高い収入を得たいという場合は、給与の種類や構成、インセンティブの内容なども確認して選ぶと良いでしょう。 一方で、「給与・待遇」が良いだけでは仕事への満足感を得られるとは限らないことも忘れてはいけません。例えば、いくら高給が得られる仕事であっても、好きな仕事、やりたいと思える仕事でなければ満足感は得られにくいかもしれません。給与・待遇が自分にとって最も重要だったとしても、2番目、3番目に大事にしているものがあるはずなので、仕事内容などにも目を向けてみましょう。 ポイント5.忙しい研究の合間に就職活動をする時間をどう確保するか 理系学生の就活は、授業や研究室が「特に忙しい時期」を把握することから始めましょう。先生や先輩などに忙しい時期を確認して、それ以外の期間でインターンシップ等のキャリア形成プログラムに参加したり、前倒しで自己分析をして自己PRを作成したりするのがおすすめです。 インターンシップに行きたくても、忙しくて長い期間は参加できないというケースも少なくありません。その場合は数日~1週間以内のプログラムを探してみると良いでしょう。少ない日程でも実際の仕事を体感できるように企業も工夫を凝らしていますし、オンラインで会社や仕事をリアルに体感できるプログラムなども増えています。 また、研究の都合上、スケジュール調整が難しい時期がある場合には、あらかじめ応募企業を多めに設定しておくのも良いでしょう。例えば1社応募して、その企業の選考が駄目だったら、次に応募する企業を考える…という進め方をすると、採用が終わって応募できる企業の選択肢が少なくなってしまう可能性もあるので注意が必要です。 ほかにも、「リクナビ就職エージェント」のような理系学生専任のキャリアアドバイザーが就活サポートをしてくれるサービスに登録して、就活の効率化を図るのも一つの手です。