理系におすすめの仕事と職種&学部・専攻別の就職活動の進め方とコツ
理系学生の就職活動スケジュール
理系就活は学生優位って本当?「学部・専攻別」の就職活動のコツ
「理系学生の就活は学生優位な状況 」というイメージがあるかもしれません。しかし、専攻を生かした仕事に就職したい場合は、その専攻内容によって採用ニーズにバラつきがあります。 選択肢が多くてどのような業界、企業、仕事を選べばいいのか悩む学部・専攻もあれば、募集が少ない上に人気が高くて狭き門となってしまっている学部・専攻もあります。 ここでは、以下の7つの専攻ごとに、企業の採用ニーズと就職活動のコツを紹介します。 1.機械・電気系 2.情報・通信系 3.化学系 4.物理・数学系 5.生物・農学系 6.建築・土木系 7.その他専攻 機械・電気系の就職活動のコツ 一定の採用ニーズがある専攻です。機械・電気系専攻を採用対象としている企業数は多く、採用数も比較的多いため、数ある選択肢の中からどこを選べばいいのか悩むことも多いでしょう。 例えば、機械系の専攻を生かせるメーカーを志望する場合、大型の産業機械がいいのか、精密機械の方が向いているのかなどで迷うケースもあるようです。専攻を生かせる範囲が広いがゆえの悩みと言えるでしょうが、自分がどんな仕事に向いているのか、何にやりがいを覚えるかなどを判断できないと就活に迷いが生じてしまうため、自己分析をしっかりすることが大切です。 情報・通信系の就職活動のコツ 一定の採用ニーズがある専攻です。情報・通信系の学生の中には、専攻を生かすためにIT業界への就職を考えている人も多いでしょう。IT業界は、ゲームなどを制作する「ネット」系、メーカーなどで働く「ものづくり」系、コンサルなどを請け負う「インフラ」系に大別されます。それぞれで仕事内容や働き方、納期、必要になる知識なども異なるため、自分の志向に近い就職先を選ぶためには業界研究や企業研究が大切でしょう。 また、顧客訪問やプロジェクト管理なども行う上流工程、実際の製作工程をしっかり行う下流工程のどちらにかかわりたいかも決めておくと良いでしょう。 化学系の就職活動のコツ 化学の専門知識を求めている企業や求人は多く、採用ニーズが高い専攻です。ただし、研究テーマと直結する求人にこだわり過ぎると、選択肢は限られてしまいます。就活生にメジャーな化粧品業界や化学メーカーだけではなく、素材開発をしている機械・電機メーカーなどにも目を向けてみると良いでしょう。 また、「研究開発」は人気職種です。年間採用数も少なく狭き門になりがちなので、ほかの関連職種も一緒に応募してみると良いかもしれません。例えば、PDCA(※)をどんどん回して結果を得ていくことが好きな人は「品質管理」、人とかかわることが好きな人は「生産技術」などもおすすめです。 ※PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字を取ったもので、これらを繰り返すことによって継続的に改善していく手法のことを指す。 物理・数学系の就職活動のコツ 研究内容をそのまま生かせる業界や企業を少し探しづらい傾向にあります。そのため、「研究を通して得た力を就職に生かす」という視点に変えてみることをおすすめします。 例えば、物理専攻の学生に人気なのが宇宙業界や半導体、機械メーカーなど、数学専攻の学生に人気なのが金融業界などですが、ほかにも「考える力を生かせる」コンサル業界やIT業界なども一緒に見てみると良いかもしれません。 企業からは、物理・数学系専攻の学生に対して「研究をひと言で説明することが難しいのか、要点がわかりづらいことがある」というフィードバックをもらうこともあるので、研究内容をシンプルに伝える練習をしておくと良いでしょう。 生物・農学系の就職活動のコツ 生物・農学系の専攻は他専攻と比べると、専攻が直結する業界・職種が限られており、企業数・採用数も比較的少ない傾向にあります。この専攻の学生に人気がある医療や製薬業界、食品メーカーの研究職は、募集が少ない上に人気が高いので、毎年かなりの狭き門になります。第一志望の業界のほかにも、自分の専攻や研究で得た力を生かせる求人を探しましょう。 例えば、機械メーカーの材料を扱っている部門などでも専攻は生かせます。ほかにも、研究室で仮説を立ててPDCAを回す経験を多く積んでいる場合は、IT業界で仮説を立ててプロジェクトに取り組む力を生かせるでしょう。生産管理職の求人でも、全体を見渡して構造把握や課題特定する力を評価されるでしょう。 建築・土木系の就職活動のコツ 建築・土木系の専攻を生かした就職をしたい場合は、「都市開発」と「設計」のどちらを学んだかによっても方向性が変わります。都市開発の専攻を直接的に生かすには、大きなプロジェクトにかかわれる大手企業のデベロッパー職や国の事業にかかわる企業である必要があります。設計を生かしたい場合は、2年の実務経験を経て一級建築士の資格取得を目指すケースもあるでしょう。ただし、これらはどちらも狭き門です。 デベロッパー職や設計職だけではなく、施工管理職や設備技術職、技術営業職などにも目を向けてみると良いでしょう。小売・外食業界では店舗開発・設計職の採用を行っている場合もあります。建築・土木専攻の学部を出ているからこそ取れる資格も多いので、幅広く将来の可能性を考えてみることをおすすめします。 その他専攻の就職活動のコツ 特殊なテーマを扱っている学生の中には、専攻を生かせる求人になかなか出会えないという悩みを抱える人も少なくありません。専攻を直接生かせる就職先がなかなか見つからない場合は、就職活動の幅を狭めないためにも、研究をする過程で得た力を生かせる仕事も探してみましょう。 例えば、環境系の専攻をしていた学生が、その周辺業界である外資系衛生コンサルティング会社に内定を得た例もあります。理系を専攻する上で培った数値分析力や論理的思考力を生かして、シンクタンクのコンサル職や、金融専門職を目指すのも良いかもしれません。ほかにも、仮説を立ててプロジェクトに取り組む力がIT業界で評価されたり、全体を見渡して構造を把握し、課題を特定する力が生産管理職で評価されたりすることもあるでしょう。