森林の自己再生力が、二酸化炭素を減らす大きな助けになる
森林再生を妨げるラスボス=温暖化
ところが温暖化とその影響で深刻化する干ばつによって、自然に再生した森林が、そのうちまったく別の気候にさらされるかもしれないそうです。ループナリン氏はこう話します。 気候条件が変化するのはわかっていますが、まだどのように変化するかにも、気候モデルの予測にも不確実性が存在しています。
足りない森林再生へのコミットメント
2030年までに3億5000万平方キロの森林再生を目指すボン・チャレンジと呼ばれる国際的な目標があって、今のところ61カ国で74の政府や組織が署名した合計面積は2億1000万平方キロに達しています。 2011年に定めた目標の60%まで到達しており、残すはあと6年で40%です。それでも森林開発のスピードにまったく追いつけていないのは切ないですね。
できることはなんでもやる精神
人類が毎年37ギガトンもの炭素を排出しているのに対して、自然回復した森林による今後30年の炭素回収量が23.4ギガトンと聞くと、全然足りないじゃんと思うかもしれません。 でも、23.4ギガトンは熱帯地域の森林が吸収する量に過ぎないんですよね。ここに温帯林や海草の保護に加えて、シアノバクテリア養殖のような新しい技術を駆使すれば、さらに多くの炭素を回収できるはずです。 フェイガン氏は次のように話します。 森林の自然再生は気候変動と戦うために必要な多くの手段の1つに過ぎず、気候変動を止める特効薬ではありません。私たちは、使えるものはなんでも使わなくてはなりません。 自然の自己治癒能力に任せるのが、森を、地球を元の姿に戻す一番の近道なのかもしれませんね。
Kenji P. Miyajima