アパ、マリオット、カンデオ…日本の“ビジネスホテル戦争”が激化
今回のテーマは、「ビジネスホテル戦争~日本一アパVS世界王者」。 今年の訪日外国人旅行者数は、過去最高となるのが確実だ。特に人気なのが、手頃な価格のビジネスホテル。日本特有の形態とも言われ、国内最大のチェーンが客室数11万室を誇る「アパグループ」だ。そのビジネスホテル業界が今、分岐点を迎えている。世界最大のホテルグループ「マリオット・インターナショナル」が日本のビジネスホテル市場に初進出したのだ。さらに躍進する“第三勢力”も参戦し、戦国時代の様相を呈している。 そんな日本のビジネスホテル業界の最前線を取材。迎撃体制をとるアパの舞台裏に番組のカメラが完全密着。さらに世界王者マリオットと巨大ファンドの日本進出の狙いに迫った。 【動画】アパ、マリオット、カンデオ…日本の“ビジネスホテル戦争”が激化
世界王者「マリオット」が仕掛けるビジネスホテル戦争
インバウンドの需要が回復し、今年はすでに10月末までに3000万人が来日。過去最高となるのは確実とされている。訪日外国人観光客を取り込もうと、さまざまなプレーヤーがホテル開発に群がる中、本格的に進攻をかけているのが外資系ホテルだ。来年、万博開催を控えている大阪が、今、最も注目されている。 11月。大阪の中心地に、世界最大のホテルグループ「マリオット・インターナショナル」アンソニー・カプアーノCEOがやって来た。
彼が見上げたのは、「フォーポイント フレックス by シェラトン」の看板。マリオット初となるビジネスホテルで、客室数は220。マリオットグループが日本で展開する100軒目のホテルだ。なぜこのタイミングでビジネスホテル市場に参入したのか。 「世界中で、消費者の二極化が起きている。所得に関わらず、旅への需要は強くなっている。ビジネスホテルに参入することで、手頃な価格で質の高い選択肢を提供できる」(アンソニー・カプアーノCEO)
そんなマリオットにビジネスホテルを託した仕掛け人がいる。日本でホテルを買収し続けている巨大外資系ファンドで、ニューヨークを拠点とする「コールバーグ・クラビス・ロバーツ」略して「KKR」。世界屈指の投資ファンドで、その運用資産は、約90兆円ともいわれている。 KKRで日本での不動産投資を担当するキーマンが、マネージング・ディレクターの工藤健亮さんだ。ビジネスホテル分野は、KKRとしても魅力的に映ったのか。 そのKKRが今回、日本のビジネスホテルを買収、その買収したホテルを託したのが、世界最大のホテルグループ「マリオット・インターナショナル」だった。世界的ブランドとして知られる「シェラトン」、 独創的なデザインで話題の「Wホテル」、芸術や音楽を融合した「エディション」など、主要30ブランドを持ち、世界142の国と地域に約9100のホテルを展開している。 中でも日本で有名なのが、ホテルという空間にラグジュアリーの要素を取り入れた最高級ブランド「リッツ・カールトン」だ。東京や大阪、京都など6カ所に展開。東京の最上級スイートは1泊約200万円、スタンダードタイプでも1泊約15万円以上する。