パチンコファン激減でも‟市場規模1兆円増”のワケ。「客から絞り取る」を鮮明にした今年のレジャー白書
パチンコ業界で景気がいいのは来店演者のみ?
筆者はパチンコ・パチスロ業界の関係者とお話をさせていただく機会が多々ありますが、とにかく景気のいい話題はほとんどありません。現時点で景気がいいのは、今年再改正されたホールを対象とした広告宣伝ガイドラインにまつわる人たち。実質解禁された「来店イベント」で稼いでいる演者さんだけ、みたいな感じにもなっています。 有名な人(※あくまでもこの業界界隈で)はもちろん、そうでない人もホール側がとにかく賑やかしで来店してもらいたいということで、一般の人からしたら「誰、それ?」みたいな人も引っ張りだこの状態です。ちょっと打とうかなと思って入ったホールが来店イベントをしていたら、つい回れ右をしてしまう筆者としては、なんだかなと思う次第。 ただほとんどのファンは、何かしらやっていたら期待してしまうからこそ、ホール側は来店イベントでもやらないといけない……なんていう半ば強迫観念的なものがあるのかと思わざるをえない今日この頃。 ただ、そんなホール側の思惑に対して素直に騙されてくれるファンも、どんどん減っているようです。この時期に業界関係者の間で話題になりがちなものに、レジャー白書で発表されるファン人口があります。
パチンコファン人口は660万人に…
レジャー白書とは公益財団法人日本生産性本部が毎年発行している、日本の余暇娯楽活動における統計的かつ継続性のある資料。その数字が正確に状況を反映しているかどうかはさておき、それでも継続性があるだけに数字の推移は実勢に即したものだと思います。 白書に記載された数字によると、30年ほど前の一大パチンコブームの際は、パチンコファン人口は3千万人という、国民の3人に1人、いや18歳以上だと考えれば2人に1人はそれなりにパチンコを楽しんでいたのかな……という数字。 そんな、かつては間違いなく国民的娯楽であったパチンコが、白書によると1990年代後半には2千万人を割り、2013年には970万と、1000万人を下回ってしまいます。2013年当時は1000万人ショックだなんて業界激震となりました。その後に1000万人の「大台」を回復したこともありましたが、この10月末に発行された2024年版の白書によると、660万人にまで落ち込んでいます。