佐賀駅前の歩道に50mのテーブル出現、140人でワイワイ乾杯!? 新しい道路の活用法「ほこみち」がおもしろい 最新事例「さが維新テラス」
さらに、西村さんは道路がもたらすまちの未来の姿を見ています。 「地方都市の財政がひっ迫し、道路をはじめとするライフライン、インフラを効率よく整備するにはコンパクトシティ(※)化していくことが必至です。多世代が集まって住める状態にするには、安全で、歩いて楽しい道であることが今後一層求められるでしょう。そのとき、お店の前の道にテーブルを出したり自由に座れたりするなら、その道にお店が増えます。お店が増えれば、人が集まります。人が集まれば、そのエリアの地価や不動産の価値が上がり、税収も上がるでしょう。すると、行政がもっとまちに投資しやすくなるという好循環が起きるんです」(ワークヴィジョンズ・西村さん) (※)コンパクトシティ:住まいや公共交通、商業・医療・福祉施設などを集約し、郊外に居住地が拡散することを抑え、小さくまとまったまち 最後に、全国の人ヘ伝えたいことを訊ねると西村さんは「住む人やまちに関わる人みんなが一緒になってこのまちを盛り上げようとする気持ちが大切。自分も参加してみよう、何かやってみよう、声を上げてみようよ」と笑顔で答えてくれました。佐賀県職員の天本さんも「まずはこの楽しさを実際に体験してみてほしい」とアピールします。 確かに、県のトップも職員も、商売やまちづくりに携わる人も、そして通りすがりの人、近くに住む人も、1つのテーブルで笑いあって飲食する姿は、まさに一緒になってまちや道路を楽しんで使う人の姿、そのものでした。「こんなまちになるといいな」の思いが実現した道路。これからの未来の「道」を示すひとつの参考になるのではないかと思います。 ●取材協力 ・佐賀県 ・株式会社ワークヴィジョンズ
唐松 奈津子(りんかく)