佐賀駅前の歩道に50mのテーブル出現、140人でワイワイ乾杯!? 新しい道路の活用法「ほこみち」がおもしろい 最新事例「さが維新テラス」
「ほこみち」って? いま、国をあげて道路の活用が進んでいる
今回の「さが維新テラス」を含む県道佐賀停車場線は2023年3月末に「歩行者利便増進道路(通称:ほこみち)」として指定されています。 ほこみち制度は、コロナ禍の2020年、屋外空間をうまく活用したいという人びとのニーズの高まりを受けて、国土交通省によって創設された制度。道路を「通行」以外の目的でも柔軟に利用できるようにしたものです。道路幅やバリアフリーなど構造上の基準や歩行量などを満たした道路について、都道府県の公安委員会に意見を聞いて問題なければ、ほこみちとして指定・公表されます。
実は、ほこみちとして指定・公表された道路は2024年3月31日時点で全国に139あります。ただ、指定・公表されればすぐにほこみちを自由に活用できるわけではなく、占用が見込まれる場所を管轄の警察署長と協議のうえ、「利便増進誘導区域」として設定することなどが必要になります。 利便増進誘導区域では、占用者が道路の維持管理に協力する場合、占用料が減額されます。それに加え、占用者が公募で決まった場合は、通常は最長5年間の占用期間が最長20年まで可能となるメリットがあるため、いっそう、ほこみちを使いやすくなります。 今回のイベントが実施された佐賀県の県道佐賀停車場線も「今後も引き続き、社会実験として音楽イベントやマルシェ出店など、さまざまな使い方を試してノウハウを蓄積し、チャレンジしながら、プレーヤーを発掘したい。最終的には運営者を公募するなど、継続的に使えるよう進めていければと考えている」(佐賀県・諸石さん)のだそうです。
道路が魅力的になれば、出店する人が増える。店が増えれば、まちの価値が上がる
天本さんたち県の担当者は、これからの日本の未来を思い描きながら、西村さんと「佐賀らしさとは何か、どうすれば佐賀らしさを表現できるか」についてとことん語り合って、さが維新テラスの案をつくっていったと振り返ります。 「結論、『佐賀の人たち自身が1番佐賀らしいはずだ』という結論に至りました。佐賀の人たちの温かさや笑顔、この場所を楽しく使いこなしている姿を佐賀の玄関口である佐賀駅前で訪れる人にも見てもらえば、それがそのまま佐賀の魅力を知ってもらうことにつながると思ったんです」(佐賀県・河原さん)