佐賀駅前の歩道に50mのテーブル出現、140人でワイワイ乾杯!? 新しい道路の活用法「ほこみち」がおもしろい 最新事例「さが維新テラス」
「佐賀県で面白そうなイベントをやるらしい」という話を聞きつけ、向かったのは佐賀駅前。リニューアルオープンした歩道空間で開催された「Terrace de Cheers!(テラス・デ・チアーズ)」というイベントでは、全長50mもの白いロングテーブルが設けられ、新たな価値を生み出す空間づくりに向けたトライアル第1弾として、県知事を含む約140人がいっせいに道路上で地酒などを片手に乾杯しました。 日本では道路の使用(占用と言います)について厳しい制約があり、コロナ前まで歩道を「通行」以外の目的で占用することはかなりハードルの高いことでした。ところがコロナ禍をきっかけに屋外空間を活用したいと考える人が増え、国をあげて道路を積極的に活用しようという動きが出てきました。実は、佐賀県は国が行った道路占用許可基準の緩和に先駆けて歩道活用の社会実験などを行ってきた自治体。他の都市では見たことのない規格外のイベントや道路活用の先進的な取り組み、新しい歩道を使う人たちの様子を紹介します。
佐賀駅前の歩道に突如出現した、50mのロングテーブル
2024年9月4日の午後、佐賀県佐賀市の玄関口である佐賀駅南口を出ると全長50mの白くて長いロングテーブルが設けられ、数人が集まっていました。この場所は、その12日前、8月23日に歩道を広くする工事が完了し、「さが維新テラス」としてオープンしたばかり。何をやってるのかな? と覗き込むと、テーブルのそばにいる若者が「佐賀の名産品、名尾和紙を使ったワークショップに参加しませんか?」と声をかけてくれます。
当日15時~16時半まで、好きな名尾和紙を選んでメッセージを書くワークショップが行われていた。
このイベントは、佐賀県と佐賀商工会議所青年部、若者のまちづくり団体「サガつく!」がともに企画・運営する「Terrace de Cheers!(テラス・デ・チアーズ)」。ロングテーブル脇のベンチ兼ステージでは、夕方からトークセッションが開催され、佐賀でまちづくりに関わる20代~30代の若者たちや佐賀県の山口祥義(やまぐち・よしのり)知事、ワークヴィジョンズの西村浩さんらが登壇。整備の背景やこれからのまちの姿について、熱く楽しく語り合う様子を見ることができました。