投資促進で初の覚書 日本企業がモロッコと急接近のワケ【WBS】
政府は27日、アフリカのモロッコと投資や貿易を促進する覚書を初めて結びました。日本企業でモロッコへの進出に踏み切るケースも相次いでいるようですが、なぜ今モロッコなのでしょうか。 鮮やかな青い海を望む北アフリカのモロッコ。ヨーロッパの玄関口としてだけでなく、地中海を通じて中東にもアクセスできることから、貿易の要衝として栄えてきました。 そのモロッコのジダン投資大臣が27日、日本の武藤経済産業大臣と会談。投資や貿易を促進する覚書を初めて結びました。
“再エネを取り込め”
モロッコは日本と同じく石油の取れない非資源国。サハラ砂漠に大量の太陽光パネルを設置するなど再生可能エネルギーの供給国として急成長しています。 モロッコに進出している日本企業は自動車の部品メーカーを中心に約70社。政府としてはモロッコの再エネ電源を企業の生産プロセスに取り入れて、脱炭素への規制が厳しいヨーロッパへの輸出に対応させる狙いがあります。
“グローバルサウスを狙え”
日本郵船と商船三井、そして川崎汽船の3社のコンテナ船事業を統合した「ONE(オーシャンネットワークエクスプレス)」。今年9月、モロッコに初の拠点を設立しました。 その狙いについて「ONE」欧州アフリカ責任者の菊地高弘さんは「必ずしもヨーロッパ向けの市場ではなくて、グローバルなネットワークの接点、ハブポート(港)として使えないかと注目している」と話します。 ONEはヨーロッパや中東だけでなく、南に広がるアフリカ、いわゆるグローバルサウス諸国との貿易の拡大を見込んでいるといいます。 「アフリカ展開では若干遅れているので、モロッコのような拠点を利用して今後はアフリカへのビジネスを拡大していきたいと考えている」(ONEの菊地さん) ※ワールドビジネスサテライト