《ブラジル》スーパーモデルが誘拐被害=一家を約12時間監禁
29日付G1などによると、国際的に活躍するブラジル人スーパーモデルのルシアナ・クルチスさん(47歳)が27日夜、夫エンリケ・ジェンドリさんと11歳の娘と共に誘拐される事件が発生した。一家はサンパウロ市アルト・ダ・ラパ地区のレストランを出たところを3人組の武装犯に襲われ、車で連れ去られた後、同市北部ブラジランジア地区の粗末な掘立小屋に約12時間にわたり監禁された。 英国人とブラジル人の娘であるルシアナさんは、米国で最も長くキャリアを積んだ現役スーパーモデルの一人とみなされている。彼女は、世界最大手のフォード・モデル・エージェンシーやブラジルのウェイ・モデル・エージェンシーと最も長い契約を結んでいるプロフェッショナルの一人だ。 彼女は1990年代にモデルとしてのキャリアをスタートさせた。国外でも高く評価され、グッチやマーク・ジェイコブスなどの一流ブランドと契約し、数々の雑誌の表紙を飾るなど、国際的に活躍している。現在はサンパウロ市とニューヨークを拠点に活動しており、今回の事件は多くのメディアでも報じられている。 監禁されている間に、犯人らは夫妻の銀行口座にアクセスして仲間の口座に不正に送金し、さらに夫妻が所有していた高級車BMWを奪った。金額の詳細は明らかにされていない。 約12時間後の28日午前10時半頃、犯人は一家を解放し、パラーダ・デ・タイパス地区に放置した。一家は近くを通りかかったトラック運転手に助けを求め、警察に通報。警察が監禁されていた現場に向かった際には、犯人らの姿はすでに無かったという。 誘拐対策部は事件を身代金目的の誘拐および強盗として捜査しており、監禁場所やその周辺地域の防犯カメラ映像を分析し、犯人らの特定に向けて捜査を続けているが逮捕に至っていない。事件に関わった犯人が他にも複数名いる可能性があるとみている。 犯人が特定されない中、市民や関係者の間では、事件に対する不安の声が上がっている。事件後、ルシアナさんの広報担当者は、一家が無事であることを伝えつつも、精神的なダメージを受けているため、当面は取材には応じないと発表した。