共同創業者が別れるときの良くある3つの理由
事業は順調だが、一方の共同創業者が十分に貢献できなくなったとき
スタートアップを「0から1」まで育てるフェーズで最も能力を発揮する人もいれば、「1から10」や「10から100」のフェーズで活躍する人もいます。すべてのフェーズで優れた成果を出せる人はほとんどいません。そのため、企業が成長し次のフェーズに進む際には、そのフェーズに適した新たな人材を迎えることが多いです。これは共同創業者の場合も同じです。 スタートアップのチーム作りでよくある落とし穴の1つが、会社のニーズの変化に合わせて役割が変わる可能性について事前に認識を合わせをせずに、初期メンバーにCxOの肩書きを与えてしまうことです。例えば、アーリーステージで優秀なCTOだった共同創業者でも、会社が成長して何百人もの社員を管理する立場になると、荷が重すぎるかもしれません。スタートアップが数十人から数百人の規模へと急成長する中、同じペースで経営のプロフェッショナルとして成長できることは稀です。 ある時点で、共同創業者が一歩退いて、他の人に経営の舵取りを任せたほうが良い場合もあるということです。これを喜んで受け入れ、社内で新たな役割を見つける人もいれば、降格と捉えて退職を決意する人もいるでしょう。 このような辛い状況を少しでも和らげるために、共同創業者はあらかじめ役割が変わる可能性について話し合っておくべきです。関係をオープンに保ち、期待値を事前に明確にしておけば、このような緊張した場面をずっとスムーズに乗り越えられるでしょう。 共同創業者がいずれ会社を去ることは、ほぼ避けられないことです。大事なのは、できる限り強固で持続可能な創業チームを作り、将来的に離脱が円満に進むよう備えておくことです。もちろん、イグジットまで創業チームが協力して会社を作っていければ理想的だと思いますが、個人的には共同創業者の関係が5年も続けば十分成功だと考えています。特に円満な離脱であれば、なおさら良いでしょう。現実的な期待を持ち、上記のような難しい話し合いをできるだけ早い段階で行うことが重要です。そして、他の長期的な関係と同様に、オープンなコミュニケーションを通じて積極的に関係に投資し続けることも欠かせません。気まずく感じることもあるかもしれませんが、スタートアップが最もよく直面する難しい問題の1つであることを考えれば、その価値は十分にあります。
James Riney