日本サッカー協会会長・宮本恒靖 「子どもの選択を奪う権利は、親にもない」
知識はいつか古くなる
――最後に、日本サッカー協会会長としての今後の目標を教えてください。 今までのよかったことは継続しつつ、改善が必要なところはどう変えていくかを考えていきます。やるべきことはたくさんあります。自分は1人でグイグイ引っ張っていくリーダーではなく、例えば4~5人の会議ならば、みんなの意見を聞きながら落としどころを探したいタイプです。サッカー協会は280人ぐらいの組織なので、各自の強みを生かしつつ、一丸となってやっていこうと、スタッフみんなに伝えています。 これまでに築いてきた海外とのネットワークや、FIFAマスターで学んだことも会長の仕事に生かしていくつもりです。ただ、知識は時間とともに古くなるので、アップデートは必須です。常に新しいことを学び続ける必要があるのは、今の仕事だけでなく、コーチも監督も同じこと。その時代の最先端の戦術も、研究されれば使えなくなりますから。どんな立場になっても、学ぶことをやめてはいけないということは、いつも肝に銘じています。
プロフィール
宮本恒靖(みやもと・つねやす)/日本サッカー協会会長。1977年、大阪府生まれ。進学校の大阪府立生野高校を卒業後、同志社大学経済学部に進学するとともに、ガンバ大阪でJリーガーとしてのキャリアをスタート。日本代表選手としてシドニー五輪、AFCアジアカップなどに出場し、2006年開催のFIFAワールドカップドイツ大会では、キャプテンを務めた。11年に現役を引退し、13年、FIFAが主催する大学院、FIFAマスターを修了。18年、ガンバ大阪監督に就任。22年から日本サッカー協会の理事などを務め、24年3月から会長。妻と大学生の息子、高校生の娘の4人家族。
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