冴えない決算の「オリエンタルランド」、過去最高売上の「サンリオ」株価はどう動いた?
以前、猛暑によってダメージを受けているオリエンタルランド(4661)と、屋内テーマパークで涼しい顔のサンリオ(8136)を、第1四半期決算の結果を比較しつつ紹介しました。 【画像】決算の結果を比較 上場来高値更新中の「サンリオ」、冴えない「オリエンタルランド」明暗を分けたのは猛暑の影響?
その後も、オリエンタルランドの株価は、年初来安値をだらだらと更新する展開。一方のサンリオは、年初来高値をぐいぐい更新するといった両極端となっています。 直近、両社がともに2025年3月期の第2四半期決算を発表しました。
オリエンタルランドは冴えない決算も、株価は上昇
まず10月30日に発表されたオリエンタルランドの第2四半期決算を見ます。 ①売上高297267(百万円)②前年同期比+4.5%、③営業利益63198(百万円)、④前年同期比-17.7%と、売上も営業利益も上期予想を下回る着地です。 要因としては、6月に開業した東京ディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」の関連費用や、人件費の増加が重荷とのこと。また、予想通り、猛暑による入園者数が前年を下回ったことも影響しています。しかし、2023年の夏もそれなりに猛暑だったので、天候だけが要因じゃないのかもしれません。 じつは四半期ごとの営業利益の実績推移をみると、24年1-3月は前年同期比で-7%、4-6月は-13.8%、7-9月は-22.2%と3四半期連続で、前年割れしています。 一方、売上高は、1-3月前年比+15.2%、4-6月前年比+5.6%、7-9月前年比+3.6%で、前年割れとはなっていません。客数の減少を、客単価の上昇でカバーできていますが、伸び率の鈍化は気になります。 10月30日にフロリダ州のディズニーパークでは、最大449ドル(約6.9万円)で、待ち時間なくアトラクションに乗れるパスを導入し、「夢の国は、富裕層の国と化した」という嘆きがSNSで溢れました。カリフォルニア州のパークでは、クリスマスなど繁忙期の入園料が、一人206ドル(約3.1万円)と、気軽に家族で行ける場所ではなくなりつつあります。 東京ディズニーリゾートは、世界でいちばん入園料が安いとされていますが、日本の物価も上昇していますので、さらなる値上げもあるかもしれません。 さて、第1四半期決算に続き、冴えない数字のオリエンタルランドですが、意外なことに、株価は翌日+1.1%と小幅ですが上昇しました。そこから3営業日連続上昇していますので、決算を好感したといえます。 もともと7-9月期が、猛暑の影響を受けるのは予想されており、株価はそれを先に織り込んで下げていたとも考えられます。いわゆる悪材料出尽くしの反転なのかもしれません。 また、1年の中でもクリスマスについでのビッグイベント「ディズニーハロウィン(通称・Dハロ)」は相当賑わっているようで、わたしの娘は10月1日から11月7日の期間中、なんと4回も通っています。そういった下期回復への期待も株価の押し上げ要因でしょう。 今後、株価が戻り売りをこなして、上昇トレンドへと転換するかは、下期でどれだけ挽回できるかにかかっています。