冴えない決算の「オリエンタルランド」、過去最高売上の「サンリオ」株価はどう動いた?
サンリオの決算はポジティブサプライズ
では、11月1日に発表されたサンリオの第2四半期決算を見ます。 ①売上高62807(百万円)②前年同期比+43.0%、③営業利益23591(百万円)、④前年同期比+77.3%の大幅増収増益。当初の上半期予想と比べると、売上高は+10.2%、営業利益は+28.9%の上振れ着地です。同時に通期予想も売上高、営業利益ともに上方修正。3ヶ月推移でみても、24年7-9月は、過去最高の売上高、営業利益となっています。 2024年11月1日は、キティちゃん50歳の誕生日ということで、生誕50周年を祝う施策が功を奏しています。11月1日から東京国立博物館で開催されているハローキティ展は大盛況で、グッズが猛烈に売れていると、SNSでも騒がれていました。 第二四半期の営業利益の進捗率は、通期予想に対して57.5%と、前期の49.3%と比べても高く、この調子でいくとさらなる上方修正もありえます。そんな期待もあって、翌営業日の株価は、14%も上昇。期待以上の業績がポジティブサプライズとなりました。 2020年7月、コロナの真っ只中に、先代の孫である辻朋邦氏がわずか31歳で社長に就任したときは、世間がざわつきました。当初、海外でのキティちゃん人気に頼りっきりだったことから、その陰りとともに業績が低迷しており、けしてよいタイミングでの社長交代ではありません。そんな逆境の中、辻氏は、キティちゃん以外のキャラクターを海外で押し出し、いまでは、複数キャラクターが稼げる体制になっています。 じつは、辻社長の誕生日は、キティちゃんと同じ11月1日。2024年に36歳と、上場企業の中でも最年少クラスに入ります。ちなみに、オリエンタルランドの吉田謙次社長は、1960年生まれの64歳。上場企業の中では、まだまだお若いほうではありますが、辻社長と比べてしまうとなんとも。 勢いづいて上値を追っていくサンリオと、いよいよ底値をつけたかと期待をもたせるオリエンタルランド。下期は、テーマパークにとっても稼ぎ期となります。通期を終えたときにどうなっているか、引き続き2社の株価の動きに注目です! ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
藤川 里絵(個人投資家/CFP)