本当に「高級ワイン」を選ぶべき? ワインオーダー時の“落とし穴”をプロが解説
レストランやショップでのワイン選びはなんだか難しく、いつも同じ種類のワインばかり飲んでしまう、という人も多いのではないでしょうか? 【写真】コスパ抜群の1本はこれ! ワインの専門家が選ぶ「究極の20本」 ワインの価格は、ブドウの品種や産地、生産者、流通経路など多くの要素が影響し、レストランで提供される際には、サービスやセレクション、料理との相性など、さらに複雑な要素によって決まります。そのため同じシャルドネでも、レストランによって価格が大きく違うということもありえます。 だからといって、いつも同じワインを選んでしまうのはもったいない! コツさえつかめば、もっと気軽に、楽しくワイン選びができるのです。 ここでは、ソムリエやレストランのワインディレクター、ワイナリー創設者たちが、私たちがやってしまいがちなミスとともに、ワインをもっと楽しむためのヒントを教えてくれました。
ブランドで選んでしまう
ラグジュアリーブランドの製品が、同等のクオリティの他ブランドのものより高い価格で販売されているのと同じように、ケイマス・ヴィンヤーズやオーパス・ワン、ロンバウアーといった有名ワイナリーのワインには、それなりの金額を支払うことになります。長年に渡って多くのファンを獲得してきたため、そのブランド自体に価値を見出す人が多く存在するのです。 これらのワインがおいしくないわけでも、品質が低いわけでもありませんが、同価格帯の他のワインと比べてみると、必ずしも多様性や革新性に富んでいるとは言えないかもしれません。 ユタ州パークシティのワインバー、ハース・アンド・ヒルのゼネラルマネージャーでワインプログラム責任者であるマイク・ファヤド氏は、この違いについて次のように説明します。 「ブランドで収益を上げているワイナリーの場合、大量生産で、画一的な味わいに仕上げられている傾向があります。味や品質が安定していることは重要ですが、ビッグブランドのワインは、時代の流れや、その年のブドウに応じた製法の変化などをあまり感じられないことが多いです」 仕入れ側も、このようなワインはより高い価格を設定できることを知っており、そのコストは私たち消費者の支払う金額に上乗せされてくるのです。 「以前飲んでおいしかったワインがあれば、同じ産地や同じ生産者のものを選んでみるのがおすすめです。小規模生産者のワインは、大量生産のものより個性的で、品質も高いこともあります」