【令和の保活】待機児童ゼロなのに空きがない? 選択肢は広がるも1歳児クラスは要注意! 最新の保活の実態を普光院亜紀さんに聞く
納得のいく保活をするために
これから保活を始める方へのアドバイスを聞くと、大切なのは「早めの情報収集」だと普光院さん。 「この記事を読まれた方は、ぜひすぐにお住まいの自治体の保育園案内を見てください。自宅の周りにある施設を知り、日頃から散歩や買い物のときに見たり、口コミや気づいたことなどもメモしたりしておくと、いざ選ぶときに役立ちます。最近は、保育園の空き状況を発表している自治体が多いので、こまめに確認して『この園は1歳児クラスでも○月くらいまで空きがあった』など情報を集めておくと、復帰時期を検討しやすくなります」 園選びについては、普光院さんが顧問を務める、保育園を考える親の会による「保育園選びのチェックポイント」も参考になります。 「基本的なことですが、保育の様子はしっかりチェックしてほしいですね。つい、オムツの持ち帰りの有無や持ち物の量など、利便性に目がいきがちですが、まずは、保育士さんが子どもたちに向けている目が温かいかどうかを見てほしいと思います。不適切保育などのニュースもありますが、ちゃんと選べば園はとても強い子育ての味方になってくれます。預けることに罪悪感を覚える必要はなく、自分が生き生きと子育てできる環境を大切に考えてほしいと思います」 保活事情は以前より改善しているものの、都市部の1歳児クラスの人気は依然として高く、慎重な計画が必要。早めの情報収集や保育の質を重視した園選びを心がけることが、納得のいく保活につながりそうです。 【お話を聞いたのは】 普光院亜紀|保育園を考える親の会 アドバイザー 保育園に子どもを預けて働く親のネットワーク「保育園を考える親の会」顧問・アドバイザー。ジャーナリストとして保育や、仕事と子育ての両立に関する執筆・講演活動を行うほか、大学講師(児童福祉・子育て支援)、国・自治体の委員会委員も務める。著書は『不適切保育はなぜ起こるのか』(岩波新書)、『共働き子育て入門』(集英社)、『変わる保育園』(岩波書店)など多数。
取材・文/古屋江美子