ホス狂いになった娘、育て方を間違えたのか…「優しい子だったのに」親たちが語る苦悩
勘当しようとも思ったが…
(Eさん 母) わが家は、ホス狂いを知り、最初は娘を勘当するつもりでいましたが、青母連のかたから、見守るしかない、と助言をいただいて。娘がキャバクラで働きだしても、強く叱らず、泳がせていました。ホストにハマっていること自体は否定をしないで、「私たちは味方だよ」というスタンスでいました。そうしているうち、半年ほどたって、ホストとの間で子供ができてしまった。堕ろすことになったのですが、向こうのホストがあまりに冷たい態度だったので、さすがにそれで目が醒めて戻ってくれると思っていたんです。が、逆に同棲しようと持ち掛けられてしまった。私たちとしては、風俗勤めだけはしないで、かわりに同棲をしてもいいから……と認める方向になりかけていました。 (Eさん 父) 認めざるを得なかったんだよね。でも「同棲するなら親に一言挨拶に来させなさい」とは娘に言っていました。ホストはホストで早いところ洗脳させたいので「会う必要ない」「俺だけ見てろ」みたいなことを娘に言う。ついでに言うと、娘に対して口頭では風俗で働けといいつつ、LINEなどには残さないようにする、巧妙なやりかたでした。 (Eさん 母) 最終的には、ホストが別の客のヒモになって、店を辞めたことで、娘の目が醒めました。振り返れば、皆さんのいうとおり、ほんとうに「洗脳」だったと思います。親に挨拶をしないと同棲はしちゃいけない、そう思っている子だったので、すんでのところで踏みとどまれたと思っています。うちの娘の場合は、当時のことはあまり話したがりませんね。聞かないで、とも言われています。 (Eさん 父) さきほど「千と千尋の神隠し」で泣いちゃう子だった、というお話がありましたが、うちもそうでした。ホスト狂いがおさまっても、なんだか性格も変わったような気がしています。派手な世界を経験しちゃったからなんでしょうか。いまはコンセプトカフェでバイトしていますが、昔は、キャバクラとか、コンカフェで男の人の相手をするのは汚いと感じるような、そんな子だったんですよ。でも今は「外国人だと金払いがいいんだ」とか言っていて。 いっしょに暮らしていますが、いつあっちの世界に戻ってしまうか心配です。朝、始発で帰って来る姿を見ると安心しますし、帰ってこないと逆に不安になります。戻ってきてくれたとはいえ、親としては、この子の人生狂わされたな、と思います。 ――本問題が、ホスト本人と当事者の女性だけではなく、周囲の人々も深く巻き込む性質のものであることが、改めてお分かりいただけたはずだ。座談会の【前編】では、参加者たちの娘がどうホス狂いとなったのか、その洗脳過程が語られた。 デイリー新潮編集部
新潮社