【独占スペシャルインタビュー】竹内まりやさんに10の質問。~アルバムについて、人生について~
Q2/曲順はどのように決めましたか?
「朝から夜まで、1日をたどるような構成になっています」 朝の情報番組のテーマ曲「Brighten up your day!」から始まって、17曲目の夜のニュース番組のエンディング「今日の想い」まで。その1日の間で、テンポの速い曲遅い曲、メジャーとマイナーを、どのように組み合わせて緩急をつけるかを考えました。今回は8人の編曲者が参加しているのも聴きどころです。それぞれタイプが違うので、お互いを活かし合うことになり、その相互作用が作品を面白いものにしていると思っています。
Q3/7曲目の「遠いまぼろし」は誰の曲?
「杉真理さんが作ってくれました」 杉さんとは大学時代に一緒にバンドを組んでいた仲で、彼がコロナ禍のときにこの曲をメールで送ってくれたんですよ。もともとはインストのデモで、彼には珍しいボサノバ調のマイナーメロディだったので、これはぜひ自分で歌詞をつけて歌いたいと思いました。
Q4/ラストの18曲目にアンディ・ウィリアムスを持ってきたのは?
「このアルバムの締めくくりにふさわしいと思いました」 「May Each Day」は、幼い頃、テレビで見ていた音楽番組『アンディ・ウィリアムス・ショー』のクロージングに使われていた曲。"あなたの毎日がよい日になりますように"と願う歌で、いつかカバーしたいと思っていました。 編曲は服部克久さんにお願いするつもりでいたのですがお亡くなりになって。どうしようと思ったのですが、息子の隆之さんが引き継いでくださることに。オーケストラを録る本番の日、最初の一音が鳴った途端に、「ああこれは克久さんのスコアそのものだな」と胸が震えました。感謝をお伝えしたら、隆之さんは「オヤジのことを言われると、いまだに涙が出てしまいます」っておっしゃったのが印象的でした。
Q5/前作から今作までの10年間でまりやさん自身の大きな変化は?
「3年前、父を亡くしたことでしょうか」 97歳の大往生でした。コロナ禍で私のツアーは中止になりましたが、最後に父のそばにいることができたのは本当によかったと思っています。兄弟6人が集まって、みんなでビデオを見ながら「あの時はこうだったね」と話をしたり、交代交代で父のそばに寝たり。旅立つときは、微笑んでいたように見えました。あっぱれな最期だなと感じ入りながら、人生はこうやって終わっていくんだな、1日1日を大事に、ちゃんと生きなければと改めて強く思わせてくれました。