【注目ドライバー】23年ぶりのアルゼンチン人F1ドライバーが誕生!フランコ・コラピントは9戦スポットで任務を完遂し、明るい未来をつかめるのか|F1
2024年はF2で急上昇…F1に第16戦から参戦決定
続く2024年もコラピントはMPモータースポーツよりF2に参戦。序盤はなかなか表彰台に手の届かない状況が続くも、ラウンド4のレース1でF2初優勝を経験。それからF2での優勝歴はないものの、表彰台争いの常連となり、ファステストラップもラウンド10までの20レースで3度獲得するなど、一発の速さという点でも存在感を示す。 2024年F2ラウンド10ベルギー終了時点で、コラピントは96ポイントを手にして、総合6位に付けていた。 すると2024年8月27日、ウィリアムズはローガン・サージェントが第16戦イタリアGPを前に、レギュラードライバーでなくなることを明らかにした。その後任としてウィリアムズ・ドライバー・アカデミーのコラピントが選ばれた。 なお、F1におけるアルゼンチン人ドライバーの参戦は、2001年にプロストからエントリーしたガストン・マッツァカーネ以来23年ぶりのこと。ウィリアムズのアルゼンチン人ドライバーとなると、1980年~1982年に籍を置いた、キャリア12度の優勝歴を誇るカルロス・ロイテマン以来となる。 2021年にル・マンでチームを組んだデ・フリースから2年遅れ(2022年のイタリアGPでスポット参戦)で、同じくイタリアGPでコラピントはF1初出走を果たすことになった。
まずは壊さないこと…その上で速さを示すことができるのか
21歳のコラピントにとっては、まずはF1で慣れることが最上位のプライオリティとなるが、同時にマシンを“壊さない”というチーム事情を配慮した走行も求められる。彼のモータースポーツキャリアを通して一貫していることとして、限界を見極める能力と抜群のマシンコントロールスキルを有し、クラッシュやリタイアがほとんどないことが特徴と言える。実際、F2でもコラピントはリタイアに直結するような衝突をほとんど経験していないという。F2における唯一のクラッシュは、ウォールに囲まれたサウジアラビアで壁に軽く当たり、リアサスペンションが壊れたケースだった。 一方でアルゼンチンメディア『C5N』によると、コラピントは母国アルゼンチンの国有石油企業であるヤシミエントス・ペトロリフェロス・フィスカレス(YPF)社のサポートを受けており、このバックアップがF1昇格の決め手になったとも伝えられている。同チームはチームコストが圧迫されていたこともあり、この新スポンサーは渡りに船という状態とも言えるのかもしれない。だが、コラピントにとってはサポート企業の存在は別にしても、自らの力をF1で示さなくてはいけない状況にある。 ウィリアムズは2025年、アレクサンダー・アルボン&カルロス・サインツ体制で挑むことが決定済み。つまり、コラピントは現状ウィリアムズで奮闘したとしても、来季のシートが約束されているわけではない。 そんな中でも、コラピントはFW46でどこまで存在感を示すことができるのか。2024年終盤9レースのみのスポット参戦ながら、2025年から先の明るい未来をつかみ取るためにも、コラピントにとってはF1初年度&途中参戦ながら、真価の試される9戦となる。
プロフィール
フランコ・コラピント 2003年5月27日生まれ|アルゼンチン国籍|ウィリアムズ(2024)