東京国税局→ベストセラー作家に転身した男が語る「独立して成功するために必要なこと」
安定した東京国税局の職を辞し、フリーランスのライターとなった、小林義崇氏。独立当初は苦労を重ねたが、独立4年目で出した著書『すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)が、10万部を突破するベストセラーとなる。テレビ出演やセミナーの依頼が殺到し売れっ子ライターへと大躍進するが、そんな中でも小林氏が独立当初から持っていたぶれない考え方とは。※本稿は、小林義崇『新しいフリーランスの歩き方』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 著書が10万部のベストセラーに! テレビ出演もセミナー依頼も殺到 『すみません、金利ってなんですか?』を発売したのは、2020年3月のことです。 日本がまさに新型コロナウイルスの脅威に襲われ始めた頃で、本が発売されて間もない4月7日に政府は緊急事態宣言を発令する事態に。外出自粛が呼びかけられ、商業施設の休業が始まったことで、多くの書店も閉められました。 リアル書店が閉まれば、読者に本を知ってもらう機会が減ってしまいます。昨今はAmazonなどオンラインで本を買う人が増えていますが、最初に本を知るきっかけはリアル書店ということは多いので、著者としては気が気ではありません。 ところが、そうした僕の心配とは裏腹に、本は次々と版を重ねていきます。梅田さん(編集部注/『すみません、金利ってなんですか?』を手がけた、サンマーク出版の編集者、梅田直希氏)から重版を知らせるメッセージが頻繁に届き、2刷、3刷……と重版が続いて、その年に18刷になりました。電車内に本の広告が大きく展開され、書店に立ち寄ると自著がランキングトップの場所に置かれていることもあり、とても不思議な気分でした。 本の反響は僕の環境を一気に変えました。 ひととおり主要な経済メディアで記事を書かせていただきましたし、番組出演やセミナーの依頼が来るなど、仕事の幅が大きく広がりました。本を出す前から元国税ライターとしてある程度ブランティングはできていたと思いますが、出版で一気にブーストがかかったような形です。 金銭面のインパクトも大きく、まとまった収入によって大きな安心感が手に入りました。 本の印税は契約次第ですが、やはり10万部を超えるレベルになると大きな収入になります。夢の印税生活と言えるほどではないにせよ、少なくとも1、2年は生活できる収入が入ったことで、「これでしばらくフリーランスを続けられる」とホッとしました。 ● 著者の「語りたい」よりも 読者の「なんとかしたい」が先 出版はなかなか狙ってできるものではありませんが、やはり自分の強みをアピールして、より多くの人に知ってもらうことが基本になると思います。そして、自分の強みにプラスして、文章を書く力を身につけることで、より出版を実現しやすくなります。 最近は「本を出したい」という人から相談を受けることも増えてきました。そこで気になるのは、「自分の主張をわかってほしい」「自分を知ってほしい」ということばかりに意識が向いている人が少なくないことです。