東京国税局→ベストセラー作家に転身した男が語る「独立して成功するために必要なこと」
僕はライターとしてさまざまな業界で活躍されている方をインタビューしているのですが、大きな成功を収めた人ほど、「人のため」という気持ちが強いという印象をもっています。 ここまで、自分の強みを生かしてフリーランスとして「売り物」になることをおすすめしてきました。この強みは自分だけで見つけられるものではなく、他者から見える自分を理解する必要もあります。何しろ、仕事を依頼してくれるのは他者なのですから。 そして、人から見える自分の強みを理解する簡単な方法は、「人から頼まれること」にあります。何かを頼まれるということは、あなたがそれに対応できると思われている証拠だからです。 ● 10点満点を取れなくてもいい 5点だって1点の人を助けられる 「自分には武器になるような強みはない」と思う人は、もっとハードルを下げてみましょう。 フリーランスとして仕事をするうえでは、トップクラスの強みが必要なわけではありません。僕にしても、自分よりもお金に詳しい人はいくらでもいることは自覚しています。 強みの尺度が1点から10点まであるとして、一般的な人のレベルが1点で、自分のレベルが5点だとしましょう。このとき、「10点の専門家」を見て自信をなくす人がいますが、それはナンセンスです。5点の人も、1点の人を助けられる力を持っているわけですから。 それに、誰もが10点の人を頼りたいわけではありません。野球を初めて習うときにいきなり大谷翔平選手から教わろうとする人がいないように、人にはそれぞれにふさわしい役割があります。その役割こそが、フリーランスとして続けるべき仕事なのです。 働き方を考えるとき、「自分がやりたいこと」をベースに考える人は多いと思いますが、それだけを軸にすると色々な面で難しくなるおそれがあります。 人の気持ちは変わりやすいものです。仕事でも趣味でも、一度はやりたいと思って始めたのに、いつの間にかやりたい気持ちが薄れることがありますよね。それに、自分がやりたいことを仕事にしようにも、人から評価される保証はどこにもありません。その仕事でお金を稼げなければ、やがて辛くなってくるでしょう。 でも、「人から求められること」をベースにしていれば、大きく外すことはないと思います。これを続けていると、だんだんと「売り物」としての評価や自信が高まり、仕事のやりがいになっていくでしょう。 そしていつかは、「自分がやりたいこと」と「人から求められること」がうまく重なり、理想的な働き方に近づけるのだと思います。
小林義崇