「嫌な流行語は言葉からの警告」「本当に五輪はあったんだろうか」 選考委員から辛口な感想
スポーツ関連の言葉が多くトップテン入りした今年の「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)。「コロナ」と「五輪」が話題を占めた2021年を象徴する言葉のラインナップをめぐり、選考委員の選評からは少し辛口な感想も見られた。 【動画】2021年「新語・流行語」 年間大賞は「リアル二刀流/ショータイム」
コロナと五輪の「ちぐはぐなパッチワーク」
歌人の俵万智さんは「今年はコロナのニュースと五輪のニュースがちぐはぐなパッチワークのように押し寄せてきた」と振り返った。トップテンに残った言葉の中には、コロナに関するものは「人流」「黙食」の2つと必ずしも多くなく、「コロナが意外に鳴りを潜めている」。言葉の上ではコロナは特別なものではなく「日常になってきたということの反映かな」と評した。 一方で、トップテンに入った言葉を見ると「嫌な言葉が入っている」とも指摘。「嫌な言葉があるということは、嫌な現実があるということ。それは言葉からの警告なんだと受け止めて、その現実をしっかり見なきゃいけない」と忠告した。
雑談で使ってしまうような流行語は「薄かった」
女優でエッセイストの室井滋さんは「期待通り、オリ・パラで出てきた新鮮な言葉はたくさんあった」と総括。ただコロナの第5波のさなかで行われた東京五輪・パラリンピックはほとんどが無観客となり、「テレビの画面でしか見られないということもあって、終わってみるとすごく遠い、本当にオリンピックはあったんだろうか、という気持ちになるような部分も若干あった」。 五輪やパラリンピックで発せられた言葉も「その後ずっと皆さんの口に上るかというと、案外薄くなっちゃったのかな」と表現した。 今年の新語・流行語について「私たちのようなおばさんたちに届く言葉というか、近所のおばさんたちと雑談する時に使ってしまうような流行語のようなものはちょっと薄かったかな」と印象を語った。
【トップテンに選ばれた新語・流行語】◎は年間大賞 ・ジェンダー平等 ・うっせぇわ ・親ガチャ ・ゴン攻め/ビッタビタ ・人流 ・スギムライジング ・Z世代 ・ぼったくり男爵 ・黙食 ◎リアル二刀流/ショータイム