ワリエワがSP首位発進も他の出場選手からはドーピング違反問題に批判意見が続出「クリーンな選手と争うのはフェアじゃない」
また同紙は、別記事でワリエワ陣営の弁護士が、CASの聴聞会で、「薬物検査で陽性反応が出たのは、祖父が服用している心臓薬が残ったコップの水を飲んだことによるものかもしれない」と主張したことを伝えた上で、IOCが、ワリエワがメダル獲得した場合、メダル授与式を行わないと決定した理由について、こう解説した。 「ロシアのドーピング調査は継続され、メダル授与式が行われないことは、今後、数カ月の間に彼女の北京五輪でのメダルが剥奪されるかもしれないことを意味している」 英BBCは「不穏な1週間の後、感情が表に出る」とし、「このロシア選手(のワリエワ)は最初の3回転アクセルでミスを犯した。我々が見てきた完璧な演技からは程遠かった。とはいえ彼女は大会前に金メダル最有力候補とする要素となった卓越したスピンやステップをしっかりと持っていた。だが、この1週間の緊張のせいか、ワリエワは演技が終わるとうずくまり、キス&クライで得点を待つ間にも涙と戦っていた」とSPの演技をレポート。 同メディアもドーピング違反が発覚しながらもCASの裁定により出場が認められたワリエワ問題についての他の出場選手らの意見を紹介した。 米のマライア・ベルのコーチを務めるアダム・リッポン氏は、「ワリエワの出場が許されたことはショックで失望」と語った。 「五輪の歴史においてドーピング検査で陽性だった選手が競技を許されたことはなかったと思う。五輪の尊厳を損なうことになると思う。多くの人たちが、陽性だった選手が会場にいることを知って困惑頭していると思う。何よりも、それをしたのが15歳の女の子だということに我々全員は悲しんでいる。彼女にとってとても悲しい状況で、この競技に参加している選手全員にとって悲しい状況だ」 平昌五輪の団体銅メダリストでもあるリッポン氏はワリエワの出場に納得がいかない。 またBBCはガーディアン紙が伝えたマッケイのより詳しいコメントも紹介。マッケイは「(もしワリエワがメダルを獲得すれば)ここで表彰台に立つことになる選手たちが気の毒。彼らは表彰台を経験することができない」と語ったという。 一方でウクライナのアナスタシア・シャボトワは「ただ才能を持っていて、懸命に努力している。それについて問題にするべきではない。彼女が勝ってトップ3に入ることを望んでいる。誰もメダルを得ることができなくても、誰が勝ったかはみんな分かること」と、ワリエワをバックアップする発言を行っている。
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