プロ野球後半戦史上最大級の"大混セ"を抜け出すのはどの球団? 1973年、1992年シーズンに並ぶ大激戦!
【DeNA】今季、開幕直後に首位を経験したDeNA。その後は好不調が激しく、首位と2.5ゲーム差の3位で折り返した。 「DeNAの浮沈の鍵を握るのはタイラー・オースティンの存在。過去4年、フル稼働したことはないですが、試合に出れば打ってくれる。巨人もヘルナンデスの加入がポイントだったように、野手で軸となれる存在がいるかどうかは大きいです」 ただ、オースティンが万全でも、不安材料は多い。 「戦力面では上位4球団で一番厳しい。打線はオースティンに加えて牧 秀悟、宮﨑敏郎らがそろい、度会隆輝も新人としてはよく対応しています。ただ、中継ぎ陣の質と層は他球団と比べて物足りない上に、守備でのミスが多すぎます」 確かにチーム打率はリーグ1位を誇る半面、チーム防御率は3点台。失策数も阪神と並んでリーグワースト。勝負どころでミスも目立つ。後半戦の切り札として緊急補強した新外国人、マイク・フォードは救世主になるか? 「映像で見る限り、打撃が硬いです。疲労骨折で離脱した筒香嘉智の穴埋め、オースティンがケガをした場合の代役という立ち位置でしょう」 【阪神】連覇を狙う阪神だが、交流戦初日に首位を明け渡して以降は苦戦が続き、4位が定位置になりつつある。 「今年の飛ばないボールと広すぎるストライクゾーンの影響を最も受けているのが阪神かもしれません。主力組の打撃が崩れた上、極端な投高打低シーズンのため、強みの投手力で差がつけられない。加えて、昨季良くなった守備もまた悪くなっています」 実際、野手は木浪聖也がケガで戦列を離れ、中野拓夢も打撃は低調。大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太は2軍落ちを経験し、チーム打率と本塁打数はリーグ最下位だ。 「近本光司頼みの打順シャッフルを2回ほど試しましたが、長続きはしませんでした。外国人枠が余っているのに補強にも動かず。こうなれば大山と佐藤輝が復調できるかどうかにかかってきます」 結果、打てないしわ寄せが投手陣の負担増にもつながった。 「前半戦で3完封の才木浩人は出色の出来でしたが、長いイニングを任せすぎたせいか、最近は明らかに疲れが出ている。また、接戦ばかりとはいえ、中継ぎの桐敷拓馬に頼りすぎ。 抑えのハビー・ゲラと岩崎優も5月の段階で登板過多気味。野手出身監督が陥りがちな、投手への配慮や思いやりにやや欠けるような起用や運用が続いています」 確かに、オールスター前の時点で桐敷は41試合、岩崎は38試合、ゲラは35試合登板とフル回転だ。 「ただでさえ僅差での登板が続くため、心理的負担も大きい。本来、投手力で勝負する球団ほど、リリーフは大事なシーズン終盤に連投できるよう、力を温存しておきたいところです」 頼みの綱は、肘と肩の手術で育成契約が続いていた髙橋遥人が支配下復帰を果たしたことか。2軍では実戦復帰後最長の8回103球を投げ、復活を期待させるが......。 「夏までいい位置につけ、ほかの投手が疲れてきた頃に髙橋が復活してチームを勢いづける、という状況が理想だったはず。とはいえ、故障明けで過度な期待を寄せては負担にもつながってしまいます」