「移民がペットを食べている」トランプ氏“差別発言”に揺れる街、異例の激戦 米大統領選【報道特集】
ペンシルベニア州南西部に位置する都市・ピッツバーグ。かつて鉄鋼業で栄えたこの街は、産業の衰退と人口減少を受け、2011年から「移民歓迎政策」を導入。様々な国の移民が集まる「人種のるつぼ」になった。現在はAIやロボットなどで起業するテクノロジー産業の街へと生まれ変わり、躍進を遂げている。 それをリードしているのが移民だ。2023年、この街で起業した人の17%が移民だった。 街の人 「ピッツバーグは移民をとても歓迎します。アメリカは『人種のるつぼ』と言われる国で、ピッツバーグはその代表的な街です」 移民の若者たちが、ITの世界で身を興すべく、奮起する場所がある。訪れたのはAIやロボットなどの研究で有名な、全米屈指の名門・カーネギーメロン大学。「鉄鋼王」と呼ばれたアンドリュー・カーネギー氏が創設した大学だ。 案内してもらったのは、AIを活用したシステムを開発しているマリオス・サヴィデス教授の研究室。所属する学生のうち、約9割が国外出身で、教授自身も地中海の島国・キプロスからの移民だ。 マリオス・サヴィデス教授 「アメリカは移民によって成り立っています。世界中から集められた優れた人材によって成り立っている国だからこそ、偉大なのです。カーネギーメロン大学も、世界中から優秀な学生たちが集まるので、名を馳せているのです。誰が大統領になっても、この国の技術革新を止めることはないと信じています」 現在、学生と共同で、AIを使った商品の自動認識システムを開発しているサヴィデス教授。この研究室で世界トップクラスのIT技術を学び、起業を志す学生もいる。 インド出身の学生 「私の将来の目標は、いつか自分の事業を立ち上げることです。アメリカはその機会を提供してくれます。この大学で、今後のキャリアについて選択肢が広がりました」 この大学で学び、アメリカを代表するIT企業を創設した人物がいる。移民起業家のルイス・フォン・アンさんだ。