北方四島の元島民らによる洋上慰霊、今年も8月中旬から実施 鈴木直道北海道知事が表明
北海道の鈴木直道知事は7日、北方領土の元島民らが北方四島付近の海上で先祖を供養する「洋上慰霊」を8月中旬から9月中旬にかけて実施することを明らかにした。令和4年度に始まり、今回で3回目。 同日の定例記者会見で鈴木知事は、ロシアのウクライナ侵攻の影響で日露関係が厳しい状況にある中、北方四島交流事業再開の見通しが立たないことを踏まえ、「墓参再開が第一との考えに変わりはないが、せめて島の近くで慰霊したいという元島民の思いに応えるための苦渋の決断をした」と述べた。 過去2回の洋上慰霊は、北方四島交流等事業で使う船舶「えとぴりか」で根室市の根室港を出発。国後島と歯舞群島の2コースに分かれ、日露中間ラインの手前で停泊して船上で慰霊祭を執り行ったあと、同港に戻る行程で実施された。道の北方領土対策によると、募集時期などは現在調整中としている。 鈴木知事は5月14日、千島歯舞諸島居住者連盟や北方領土復帰期成同盟の関係者らとともに岸田文雄首相と面会し、墓参の早期再開などを要請している。