携帯電話番号って「3桁+4桁+4桁」だと思っていました? 実は違うかもしれません
厳密な携帯電話番号は「3桁+3桁+5桁」という区分け
こうして歴史を振り返ってみると、1979年に日本電信電話公社(現在のNTT)が自動車電話サービスを始めて以来、携帯電話(自動車電話)の加入者を識別する番号は下5桁で変わりありません。つまり、携帯電話番号を“厳密に”書こうとすると、以下のような区切り方となります。 XXX-XXX-XXXXX それぞれの部分を具体的に見ると、こんな感じです。 ・冒頭の3桁:携帯電話であることを示す番号 ・真ん中の3桁:携帯電話事業者を識別する番号 ・最後の5桁:加入者(ユーザー)を識別する番号 電気通信番号を管理する総務省は、冒頭の3桁と真ん中の3桁を“ひとまとめ”にして携帯電話事業者に割り当てています。一方、最後の5桁は事業者の責任で加入者(ユーザー)に割り当てます。最後の5桁は「00000」から「99999」まであるので、理論上は1つの割り当て枠で最大10万回線まで対応可能です。 楽天モバイルを除く携帯電話事業者(MNO)はかつて、地域ごとに事業会社を分けていました(au/UQ mobile/povoについては、現在も沖縄県だけ別会社です)。その名残で、分社当時に割り当てられた番号は、「真ん中の3桁」をもとに“契約地域”を絞り込める場合があります。 このことを生かして、以前は電話番号の真ん中の3桁を使って地域の“推定”をする世論調査や営業電話もありました。しかし、現在は基本的に全国1社なので真ん中3桁での地域推定は困難です。ゆえに、今では真ん中3桁による地域推定はほとんど行われていません(どうしても地域を特定したい場合は、住所の一部か郵便番号を聞き取ったり入力させたりします)。 2024年9月現在において、「080」と「090」で始まる番号の割り当ては既に終了しており、「070」で始まる番号の未割り当て分は530万個(=53枠)です。電気通信事業法の改正により、現在は自ら回線ネットワークを持たない携帯電話事業者(=MVNO)にも“直接”携帯電話番号を割り当てられるようになったため、場合によってはあっという間に“番号不足”となる恐れもあります。 ゆえに、総務省は「電気通信番号規則」を改めることで「060」で始まる番号も携帯電話番号として使えるように手続きを進めているのです。ただ、規則の改正が施行されてすぐに「060」で始まる番号が携帯電話で出てくるわけではなく、事業者に割り当てられて初めて出てきます。 ただ、実際に「3桁+3桁+5桁」という番号を見ると、何となくバランスが悪く見えてしまうんですよね……。実際に番号を出す際は「3桁+4桁+4桁」の方が収まりが良いですし、実際にそうなっています。