石川県の名店を大阪で。「喫茶 水鯨(すいげい)」(大阪・阿波座)は50年の歴史を語り継ぐ。
禁煙室の再現&マスターこだわりのメニュー
マスター山口さんの喫茶愛をしっかり聞いたところで、こだわりのコーヒーをいただきました。こちらのコーヒーは、禁煙室で提供されていた味を山口さんが研究して再現した「禁煙室ブレンド」。スモーキーな苦味があり、愛煙家だった禁煙室マスターが好んでいたというのがよく分かります。それとは別に、すっきりとした味わいの「水鯨ブレンド」など、自家焙煎だからこそ様々なコーヒーが味わえます。最近はコーヒーだけでなく紅茶の研究も進めているそうです。そして、喫茶店といえばこれ! 低温で1時間じっくり火を通した、固めの濃厚な自家製プリンです。筆者は圧倒的になめらか派なのですが、クラシックプリンの扉を開いてしまいそう…! 満足感のある口当たりが絶品でした。写真ならステンドグラス側の席で撮るのがおすすめです。ステンドグラスの光がテーブルに反射するのも素敵! もちろん、フルーツたっぷりのプリン・アラモードもメニューにあるので、訪れたらぜひ注文してみてください。フードにも、禁煙室の人気メニューの片鱗が。こちらは山口さんが再現したシナモンシュガーバナナトースト。モーニングの時間にはヨーグルトがついてきます。他に、自家製カレーやオムライス、ナポリタンなどもあり、ぜひ食べてほしいです! 店の奥に見えるのは焙煎所。この焙煎機とレトロなメニュー看板も、閉店した喫茶店から譲り受けた大切なものだそうです。「昔はコンビニや自販機がなかったから、コーヒーを飲むのもちょっとしたものを食べるのも喫茶店でした。今は喫茶店って、気軽に入らなくなりましたよね。だけどマインドが変わってないんです。コンビニくらいふらっと入ってきていい場所です」コーヒー1杯だけ飲むのも、ゆっくり話をする、仕事をする、のんびり本を読む、写真を撮る、など。誰もが自由に過ごせるのが、本来の喫茶店なのだとか。もちろん、喫茶店を経営したいという相談も大歓迎だそうです。取材でお話を聞きながら「喫茶 水鯨(すいげい)」の一番の魅力は何かを考えていました。山口さんの言う通り、調度品の味わいや歴史はさることながら、個人的には「山口さんの喫茶愛」だと感じました。昭和喫茶のマスターたちへのリスペクトを忘れず文化継承に尽くす、山口さんの今後の活動を応援したいです。 About Shop 喫茶 水鯨(すいげい) 大阪府大阪市西区川口1丁目4-19 営業時間:9:00~17:00(土日祝は8:00~17:00) 定休日:月曜日、火曜日
ウフ。編集部 あかざしょうこ