「ゴールキーパーは嫌だ」という風潮を変えるために必要なこと…”クモ男”シジマール「GKはすごく楽しいポジションなんだ」
「みんなが“クモ男”なんて呼ぶもんだから、得点されてはいけないというプレッシャーがすごかった。絶対に止めないといけなかったからね(笑)」 【画像】「下着をつけずサッカー観戦」で欧州全体をお騒がせの「美女」 今季リーグ首位を走るヴィッセル神戸のGKコーチを務めるブラジル人のシジマール(・アントニオ・マルチンス)は、そう言って豪快に笑った。 PKストップするときに両手を大きく広げる姿から“クモ男”と呼ばれ、多くのサッカー少年たちがそのポーズを真似した。 前編に引き続き、引退後から現在まで、プロからアマチュアまで様々なカテゴリーでGKコーチを務めてきたシジマールに「日本のGKの現状」について聞いた。 前編記事『“クモ男”シジマールが語る「ゴールキーパー論」…「GKの『シュートストップの能力』より『足元の技術』を評価する流れはよくない」 いまはJリーグ首位を走るヴィッセル神戸のGKコーチ』より続く。
GKに身長は関係ない
――一時期、Jリーグチームの多くが外国人GK、特に数年前はJ1で韓国人GKの起用も目立ちました。そうした現状について、どのような見解をお持ちでしょうか? 数年前までは確かにそうでしたし、私の時代も同じく外国人GKは目立っていました。でも、現在は日本のGKが試合に出ることが多くなりましたよね。私の見解は、先ほども言いましたが、日本人の優れている要素は、自分を磨き続けられること。努力を継続してきた結果、今はそれが逆転してきていると思います。これは試合に出ている外国人GKを見て、学んで、超えようと努力してきた結果です。名古屋グランパスのランゲラックや台頭してきた韓国人GKが、周囲に刺激を与えていますし、その結果、追いつこうと努力してきた日本人GKのパフォーマンスは間違いなく上がっています。 ――GKに必要な資質はなんでしょうか? 大事なのは、献身性と俊敏性です。GKの菅野孝憲(北海道コンサドーレ札幌)の話になりますが、彼が柏レイソル(09年)にいたときにコーチとして教えましたが、当時、日本代表にも初選出されました。彼の身長は179センチとGKの中では高いほうではないですが、それを補うために何が必要なのかを意識して練習していましたよ。例えば、腕を限界まで素早く遠くまで伸ばしたり、素早いステップワークも常に意識していましたよ。身長を補うための努力を継続していました。 ――GKの身長が低いのはそこまで関係ないと? 私はGKになりたい人に対して、必ずこう聞きます。「GKは好きか?」と。その返事次第で、成功するか否かの可能性は決まるんじゃないでしょうか。目標に向かって、そこに到達するという強い意志を持つことです。トッププロとして活躍しているGKは、身長の高い低いに関係なく、その気持ちを持っていると思います。そういう選手しか、J1の舞台に立てないですから。 ――GKというポジションについて日本の選手たちはどのように捉えていると感じていますか? まずは「難しそう」と思っている子が多いですね(笑)。なので、そうした苦手意識を払しょくしないといけない。そうなればみんながやりたいポジションになると思います。最近はYouTubeなどでGKの映像を見る機会も増えましたが、セーブした時にあたりどころが悪かったり、ケガしたりと“怖いな”という印象がどうしてもあると思います。それにフットサルなどのミニゲームをしても、どうしても「GKはやりたくない」ってなるケースも多いですよね?だから私は死ぬまで“GKシジマール”として、その動機付けをしていきたい。GKはすごく楽しいポジションなんだというのをどんどん伝えていきたいんです。
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