「ゴールキーパーは嫌だ」という風潮を変えるために必要なこと…”クモ男”シジマール「GKはすごく楽しいポジションなんだ」
シジマールにとっての「日本」
――具体的にはどのように接していますか? 私が自ら諦めない姿勢を見せていくこと、やってやろうっていう気持ちをずっと持ってくれると信じて、そういう風に接します。試合に出ないからといって目標がぼやけたり、目指すものがなくなるとそこで終わってしまうからです。だから「君が(前川)黛也からポジションを取るだろ?」というくらいのテンションで声をかけていきます。 チームとして考えた時、試合に出ないGKはおそらくいないと思います。必ずシーズンになると、サブGKを必要とするシチュエーションが訪れます。だからこそ、試合に出ていないGKは常にトップパフォーマンスの状態にいなければならない。彼らもそうした責任を持って日々、練習に取り組んでいます。 ――GKをしているサッカー少年、少女、あるいはこれからGKを目指す子どもたちに伝えたい事はありますか? まずは顔や痛いところにボール当たったりするので、それ怖がらないでほしい(笑)。もし、GKになりたい子がいるなら、1試合でもいいので、スタジアムで見てほしい。あとは、GKの動きやプレー、何を考えているのだろうと見ながら、その姿を追ってください。テレビやタブレット、スマホで見るのと違うのは、スタジアムだとGKのことだけを見れるからです。もっとGKのことが分かってくるはずです。 ――シジマール氏が日本のサッカー界でGKコーチとして、将来的に何を残していきたいものはありますか?目標やこれからやりたいことがあれば教えてください。 私は幸運にもJリーグでプレーヤーとしては認められ、今は指導者としてキャリアを変えてやっていますが、人としても周りの人にも認められる人間でないといけないと思います。私が指導に関わった人に対する大きな責任がありますし、それ以上に大きな愛情を持って接することで、自分が去ったときに偉大なGKの指導者だったね、と言われるような存在になりたいです。 ――最後にシジマール氏にとって日本はどういう場所ですか? 私はブラジル生まれで国籍はブラジルです。でも日本にはずっといたかったし、僕にとって日本はすべてです。自分のスピリット、魂が『ここがいい』と言っているんです。自分のやるべきことがこの日本にある。本当に一番心地がいい。これからも居続けたい国です。
金 明昱(スポーツライター)
【関連記事】
- “クモ男”シジマールが語る「ゴールキーパー論」…「GKの『シュートストップの能力』より『足元の技術』を評価する流れはよくない」 いまはJリーグ首位を走るヴィッセル神戸のGKコーチ
- ブッフォンと楢崎正剛、2人が大事にしている「基本」
- 週現スペシャル プロ野球・Jリーグ・プロレス<br />日本人が愛した助っ人・出稼ぎガイジン選手<br />「あの人はいま」
- 「スケスケで穴開きのドレスはヤバいですよ…」“何も着けない主義”のスペインの超人気女優の《目のやり場に困る青ドレス姿》にファンも驚愕
- 「色の違い」で分かってしまう…世界を騒がせたスペインの超有名女優クララ・ガレの《絶妙に未着用が分かる》普段着にファン騒然