世界初!「おむつファッションショー」開催の狙い。おむつは白だけじゃない!企画が始動した背景
「だから、おむつを下着とわからないようなデザインにするとか、下着よりめちゃくちゃおしゃれなおむつを考えてほしい。そうなったら最高!! !」。こう話す女の子に、平林さんはメチャメチャ共感したという。 「おむつとパンツだと、おむつのほうが機能性は上。おしゃれなおむつができたら、相当売れるんじゃないかと、みんなで盛り上がっちゃって(笑)。それで本格的に取り組むことになったんです」(平林さん) こうして「O-MU-TSUプロジェクト」がスタートした。
■黒染めしたおむつに、いいねが25万 平林さんが手始めにやったことは、市販のおむつを買ってきて自身で色を付け、その写真をSNSで発信することだった。ちなみに最初に付けた色は黒だ。 「既存のおむつのことを悪く言うつもりはまったくありません。でも、買ってきたおむつをはいた自分を鏡で見たら、きついわー、気分落ちるわーみたいな感じ。それで試しに染料で黒く染めてみたんです。それをはいて鏡で見たら、これは意外といけるな、と確信を持ちました」(平林さん)
実際、SNSで黒く染めたおむつの写真を公開するやいなや、ものすごい反響が返ってきた。共感するコメントが3000以上も寄せられ、“いいね”数は25万件。 そのコメントのなかに「気分に応じて色を選びたい」というものがあったことから、今度は7色の色を付けたおむつを“レインボーアソート”として作ったり、おむつを藍染めしてデニム風したり……。それらももちろんSNSで発信していった。 コメントを寄せていたのは若い人も多く、おむつユーザーだけじゃなかったことに、平林さんは驚いたという。
尿失禁は高齢者になるほど増えてくるが、女性の場合は比較的若くても尿もれに悩む人も多い。介護現場だけでなく、障がいがある人のなかにもおむつを使っている人たちがいる。長時間、トイレに行けないマラソンなどの競技でおむつを使うケースもあるそうだ。 ファッション性の高いおむつは、年齢問わずニーズがあるという感触をつかんだ。 「そもそも、50代、60代の男性で、いまどき白いブリーフとかはく人なんて、ほとんどいない。女性だって、白いシンプルな下着よりおしゃれな下着をはきたい。だったら、“白しかない”っていうのは、やっぱりおかしい。選択肢の1つとして、おむつとしての機能を保てるのであれば、いろんな色、デザインのおむつがあってもいい」(平林さん)