かんぽ不適切販売問題 特別調査委が会見(全文3)以前から改善に取り組んでいる
幹部はこの状況を把握できていなかったのか
NHK:NHK「クローズアップ現代」の望月と申します。今、お話に出た総合対策に関与して、こちらの報告の68ページにも書いてありますが、把握をしていなかったというふうにおっしゃいますけれども、営業品質実績表、あるいは募集品質カルテというふうにいわれるさまざまな問題のある契約について、不適正を防止するという目的で月々、この件数を出す仕組みがあったと思うんですね。私たちこれが、問題が6月・7月に大きくなる前からこういう全国カルテというものも手にしていましたけれども、これを見ると、例えば乗り換えであれば去年に比べてすごく数が増えているというようなことは明白だったと思います。それでもこういう仕組みがありながら、全体として幹部の方々はこの状況を把握できていなかったんでしょうか。 また、今回の調査に関してこれだけ多くのさまざまな、乗り換え以外でも、例えば減額や料済といった、非常に顧客に深刻な不利益を被る可能性があるものが数値化されてはっきり分かっているのに、調査がされていないっていうことが、これが本当に顧客救済という意味からも、きちんとした真相を解明するという点からも、顧客本位である対応であるというふうにお考えになりますか。 寺脇:今おっしゃった点なんですけれども、私どもも、この総合対策が結果的に成功しなかったのはどうしてだろうかと、こういうことを考えております。やはり今おっしゃった、数値化しているんですね。数値化したことによって、具体的な個別の事案、それの背景に入り込んでいくっていう、そこの究明をして対策を講じていくというところまで至らなかった。そこが残念な結果になったのではないかというふうに考えております。
仕組みはあるが認識しなかったのか
NHK:それは規模感が分からなかったというふうに今までおっしゃっていたこととは違いますよね。規模感、数値感、それの動向というのは、この仕組みによって十分に分かっていたんじゃないんですか。この仕組みはあるけれども、トップの方々はそのことを認識せず、でも実際に局や個人については数値に問題がありますねということで指導が入っていたということになりますか。 寺脇:個別の募集人に対しては、やはりこれの数値に基づいてのカルテがあるわけですし、指導は当然されていたということは私どもも調査の中で理解しております。それが結果的に奏功したかどうかという問題かと思います。 伊藤:ちょっとかみ合わないところがあるかもしれませんけども、われわれとしては、今度の調査でやったことは、いわゆる組織全体としてこれをどういうふうに扱ってきたかというところはやりましたけれども、個々の、例えば誰がこの数字を把握して、誰に報告して、誰がどうしたというところは直接の調査はしていません。だからこそ、先ほど書いたように、今後、不適正防止に関する役員の認識なんかも、これからもう1回調査しますというふうに書いているんで、今おっしゃったようなこともおそらくその中では、誰がこういうふうに認識し、誰に話し、誰はどういうふうに考えたかということをご説明。ただ、ご本人たちにこれをどういうふうに思いましたかという質問をわれわれはしてないものですから、それを今、ここでお答えするわけにはいかないと思います。先ほどの朝日新聞でしたかね。 NHK:ということは、仕組みとしては、数値としては分かっていたので、把握をしていないかどうかはまだ確認はされていないということになりますね。 伊藤:いや、だからその数字があるということは当然、誰かは把握してるんですけども、その1人1人がその数字をどういうふうに受け止めて、だからどうしようと考えたというようなことについては、まだそういう直接、これはもちろん責任は明らかにしろという、今度は、われわれが今日までやった調査はそういうことが求められていたわけでないもんですから、それをしてないんですが、これから、あるまでの調査においてはですね。