【学生長距離Close-upインタビュー】春先から好調維持する東洋大・西村真周「チームに勢いをつけられる選手に」
冬場から自身を見つめ直す
競技に対する姿勢やチーム内でどう過ごしていくか―。自身を見つめ直す機会となり、冬場から練習に臨み、今年は高校以来となる5000mの自己記録をたたき出した。 酒井俊幸監督も「練習通りの力を出せるようになったのは、課題だった安定感の欠如から脱却しきれているから。落ち着いて試合に臨めるようになりましたし、今後伸びていけそうな要素が出てきました」と評価する。 「今年は監督から『チームの主力になろう』と言われています。やっぱり他の大学の選手には負けられません。チームに勢いをつけられる選手になりたいです」 今季は箱根駅伝を最大の目標に挙げた。「チーム全体となってまとまっています。そこが自分の目標で、チームの目標でもあります」。直近2年は山下りの6区を担っており、「自分が6区を走るのがベストだと思います」と自覚を込めた。 石田洸介や梅崎蓮ら4年生に力のある選手がそろっており、「4年生頼りのチームになるのではなく、3先生としても一人ひとり役割を持って取り組んでいきたいです」と強調。大学4年間で5000mの東洋大記録(13分34秒64)の更新と、学生三大駅伝での区間賞獲得をまずは目標とする。 五輪や世界選手権は狭き門で、簡単に出られないことは理解している。先の競技人生はまだイメージしづらいものの、「競技者として最後まで走り続けて、誰かの記憶に残る選手になりたいと考えています」。 まずは残り2年の大学生活、“鉄紺”の歴史に名を刻むつもりだ。 ◎にしむら・ましゅう/2003年8月11日生まれ、福岡県北九州市出身。北九州菅生中→自由ケ丘高→東洋大。自己記録5000m13分50秒46、10000m28分45秒98、ハーフマラソン1時間3分28秒。
片井雅也/月刊陸上競技