思わずウルッときたドリスのいない「ドリス」、「ザ・ロウ」と「クレージュ」でミニマルについて考える 2025年春夏パリコレ日記Vol.2
他のアイテムも全てそう。洋服の「こうなったらいいのに」を改良し、着たい洋服を着たいように着る。その姿勢は決して「ミニマル」や「控えめ」なんて言葉だけで語られるものではなく、むしろ意志が介在する力強さを感じます。だからこそ、デザイナーズブランド足りえているのではないか?そんな風に思うんです。と、画像がないので、洋服の紹介というより、私の思いをお話させていただきました(笑)。
「ロシャス」では1ルックしか見られずガックリ
藪野:その間、僕は「ロシャス」のプレゼンテーションへのために、昨日の「アランポール(ALAINPAUL)」と同じシャトレ座へ。劇場に入ると、すでに舞台の上には人だかりがあり、ミニショーが始まっているようでした。人混みの先にモデルが見えたので、ギリギリ間に合った~と思ったのも束の間。登場した写真を撮ったら、それがラストルックだったようで、フィナーレもなくクリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ヴィジランテ(Alessandro Vigilante)が登場。次のアポが迫っていたので、ミニショーを待つ時間はなく、会場を後にしました。
そして向かったのは、ジュエリーブランド「パンドラ(PANDORA)」のインタビュー。こちらの内容は後日別途アップしますが、チアフルなクリエイティブ・ディレクターの2人にブランドの今について、色々聞いてきました。
村上:「ゾマー(ZOMER)」は、百花繚乱です。大輪の花々をプリントしたノースリーブドレスに始まり、ペタルのような布を腰回りにぐるりと一周パッチワークしたキュロット、シフォンの花々をアプリケしたカーディガン、まさに花のような円形の生地を繋いだロングスカート、裾がラッパスイセンのように膨らんだカフタンシルエットのドレスなどが登場。わかりやすく、みんなが笑顔だったのが印象的でした。
思わずウルッとした、ドリスのいない「ドリス」
そして「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」です。詳しくは、こちらの記事をご覧いただければと思います。にしたって、記事にも書きましたが、2025年春夏コレクションを最後に第一線を退いた本人が、客席からショーを見て、フィナーレでは泣いていたなんて、感動しませんか?私も、デザインチームの14人が出てきたフィナーレではウルッとしてしまいました。早くこの14人が、新しい指揮官のもとで活躍できるといいな。ラグジュアリーやデザイナーズの世界では、クリエイターが変わると、デザインチームはもちろん、PRやマーケティングのスタッフまで総入れ替えになるケースが多いけれど、「ドリス ヴァン ノッテン」はそんな変革を望んではいないでしょう。ちなみに、「シャネル(CHANEL)」もきっと同じ。そして「ドリス ヴァン ノッテン」には、素晴らしいチームが既に存在していることを改めて認識できたコレクションでした。