「収入状況に見合わない出金や買い物」をしていると「税務書」の調査が入るって本当ですか? 「税務署」は自由に個人の「銀行口座」を調べられるのでしょうか? 親の財産を相続したので心配です。
親族から相続を受けた際には、通常相続税を支払う必要がありますが、タンス預金を相続した場合などには、バレないだろうと正しい申告をしないケースもあるようです。 とはいえ、収入に見合わない出金や買い物などをしてしまうと、税務署の調査対象となる可能性があります。税務署は、どのように銀行口座を調べたり、個人の収入を把握したりしているのでしょうか? そこで今回は、税務署の調査が入るのはどのようなときなのか、銀行口座を調べる方法、税務調査の流れなどについてご紹介します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
税務署の調査が入るのはどのようなときか
個人に税務署の調査が入る可能性があるのは、次のような場合です。 ●収入や資産に見合わない額の買い物や出金をしている ●相続税申告された財産の額が、税務署が把握しているより少ない ●相続税申告書を税理士以外の人が作成している ●生前、被相続人が多額の現金を移動させていた 国税庁が発表している相続税の調査状況と、申告漏れなどの違法が令和4年の1年間に見つかった割合を表1にまとめました。 表1
※国税庁「令和4事務年度における相続税の調査等の状況」を基に筆者作成 このように非違割合は80%を超えており、税務署がある程度確信をもって調査を行っている可能性があることが分かります。 では、税務署はどのようにこれらの状況を把握しているのでしょうか?
税務署が個人の銀行口座を調べる方法
税務署では、申告している銀行口座以外の口座や、関係者の口座なども調査することが可能です。銀行口座・証券会社などの情報からおおよその収入や資産を把握でき、想定額と実際の申告額が異なればすぐに分かります。 ただし、調査できる範囲は、税金の種類によって異なります。なお、対象範囲は国税通則法第74条の3により規定されています。 また、申告していない口座に関しても調査できるため、財産を分配して管理しても、隠し通すことはできません。 なお、どこに銀行口座があるかは、過去の申告状況や確定申告書・源泉徴収票・生命保険の支払い額などを基に徹底的に調べられているようです。