なぜ“白毛のヒロイン”ソダシのダートへの“二刀流挑戦”は失敗したのか…2番人気に支持されたチャンピオンCで12着と惨敗
前半1000mの通過タイムは61秒4のスローペース。逃げ馬にとっては有利といっていい展開。ソダシは折り合いをつけ、ダートの猛者15頭を引っ張っていく。先行逃げ切りはこの馬の勝ちパターン。ここまでは何の問題もなかった。 だが、最終4コーナーを先頭で回ったところで抵抗できず、純白の馬体が、ズルズルと後退した。不利を受けたわけでもペースが速かったわけでもない。確かに、2、3番手からのプレッシャーはあっただろうが、文字通りの力負け。吉田騎手も「ダートのこのメンバーでは慣れが必要」と語り、レース前には「挑戦者」を強調していた須貝調教師も「気持ちの問題かもしれないですね。いい経験になった」と敗因を分析した。 ダートへの挑戦は無謀だったのか。 二刀流への期待は大きかった。ソダシは芝で6勝し、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞とG1を2勝。それ以前にも白毛馬として初の芝重賞制覇、初のG1、初のクラシック制覇と走る度に快挙を達成してきた。 血統もダートに向いていた。父のクロフネは東京コースで行われた武蔵野ステークス、ジャパンカップダートと圧勝に次ぐ圧勝を演じている。さらに、母のブチコは4勝すべてをダートでマーク。同じクロフネ産駒で、おばのユキチャンは関東オークスとクイーン賞を制し、いとこのハヤヤッコはレパードステークスを勝つなど、調べると左回りのダートコースに良績を残していた。 須貝調教師は、今後のレースの選択肢を増やす意味で、このチャンピオンズカップへの参戦を決断。「血統面、1800mという距離、3歳牝馬で3キロ軽い負担重量などを考慮して出走を決めた」と色気を持っていた。 実際、オークス、秋華賞こそ、あっけない負け方をしているが、年長馬との初対戦となった今夏の札幌記念では、のちに米国ブリーダーズカップフィリー&メアターフを制するラヴズオンリーユーを完封。マイルチャンピオンシップの覇者ペルシアンナイト、有馬記念勝ちのブラストワンピース以下を寄せ付けなかった。初ダートであろうが、勝ち切るポテンシャルがあり、しかも、調整もうまく進んでいた。