【40代50代にこそ大切な「自分軸」の作り方とは?③】更年期は、「大人の豊かな思春期」
心と体に辛い症状が出るなど、思い通りにならなくなってくる更年期世代。 「そんな時は、ご自身の思春期の頃を思い出してください」とは、理学療法士の経歴を持つセラピストOCO(オコ)さん。ホルモンの変化が大きい更年期にこそ、自分を大切に扱うことについて、OurAge世代に寄り添ったアドバイスをいただいた。
自律神経のオン・オフを意識して
著書『わたしの解放ガイド』で人気のセラピストOCOさん。40代、50代のOurAge世代にとって大きな関心事の「更年期」についても、OCOさん流の捉え方、つきあい方にてぜひ教えていただきたい! ──── 40代、50代女性にとって更年期は、ライフステージの大きな変化の一つです。更年期についてOCOさんは、どのような時期だとお考えになりますか? OCO:更年期は、女性ホルモンのエストロゲンが大きく減ってしまう時期であるということは、読者のみなさまもよくご存じかと思います。また、身体の内部の働きはつながり合っていて、こうした変化と同時に、ホルモンを抽出する部分と密接にかかわっている自律神経も、その調節が連動して、難しくなることがあります。 つまり、ホルモンの変化と自律神経の不調が同時並行的に起こる年代または、期間と言えますね。前者のホルモンについては、体がそういった変化を受け止めて、順応していくプロセスにあります。
──── 後者の自律神経についてはどうですか? OCO:女性ホルモンが生理的に減少すること自体は避けられませんが、自律神経については年齢にかかわらず、いつでもある程度コントロールすることができます。自律神経は、「交感神経と副交感神経*、どちらも使える状況にある」ことで、バランスが取れる方向に向かっていきます。 ですから、交感神経が優位になりすぎている揺らぎの時には、 ①ゆっくりと深い呼吸をする ②休息の時間をしっかり取る ③内臓を温める などを心がけることが大切です。 ただ、②については、「多忙で休めない」という時もありますよね。そういう時は、軽い運動をすること。特に呼吸に意識を向けることのできるヨガ・ピラティスはマインドフルネスともなり、おすすめです。その他、音楽と体の動きを合わせる各種ダンスなどのリズム運動は、音楽によるリフレッシュも相まって効果的です。また散歩もリズム運動の一つであり、自分のペースで外の景色や自然音、風などを感じられストレス発散作用があります。発汗作用のある岩盤浴、サウナ、半身浴などを行って、意識的に交感神経を働かせるのもいいでしょう。一時的に交感神経を高めることで、自然に副交感神経のスイッチが入るというプロセスを利用する方法です。 運動が苦手な方には、特に首まわりや体側(側面)、腰のストレッチがおすすめです。ストレッチの場合には、直接副交感神経を優位にする作用がありますので、室内でいつでも、休息のスイッチを入れたい時にはぜひ行ってみてください。 *体の機能を活発化させる神経を交感神経、休息時に優位に働く神経を副交感神経と呼ぶ