【40代50代にこそ大切な「自分軸」の作り方とは?③】更年期は、「大人の豊かな思春期」
思春期には扱えなかったこと。 成熟した今だからこそ、向き合える
──── ご著書『わたしの解放ガイド』でも、医療従事者としての視点から、介護における捉え方も紹介されていましたね。介護をしている方は、社会制度を積極的に利用してほしい、と。 OCO:今後は社会制度とともに、介護のあり方も変わっていくと思います。私は専門職として、またその過酷さを知っている立場として、介護分野はプロフェッショナルとの連携を図ることを推奨しています。なぜならば、介護は家族の中だけのエネルギーとマンパワーさえ割けば、「“みんなが幸せ”となる領域ではすでにない」ことも、現場を通じて知っているからです。 ですから「今はいろいろなことを選択できる時代なんだ」と、知識を得ることが大事です。その分野のプロフェッショナルと話し合い、家族ごとの大切にしていることを共有し、サービスを受けていくことが重要です。介護を受ける本人の充足と、家族の余白を確保することで、良い距離感で安心できる形を構築していくことが、今の介護分野では達成できるのです。 そして更年期の時期は、思春期の頃には打ち明けられなかったこと、飲み込めていなかったこと、自分さえも意識できなかった悲しみや思いにようやく気づいて、それらを素直に受け止められるタイミングを迎えている、ということでもあるのです。内側で起きていることの整理を、大切に考えるために、少し休息することで時間を作るように、体が求めているのかもしれません。 ──── ネガティブなイメージがつきまといがちな更年期ですが、見方を変えることで、思春期の自分を癒やしてあげられる、成熟した大人の時期とも言えるのですね。 OCO:はい。更年期は、自分にたくさん時間を与えていい時期だと思います。思春期も、本当はもっと自分のためだけに使う時間があってよかったのですが、体の変化に戸惑いながらも、性に関することを心置きなく相談することもできずに、ただ日々が過ぎていったのではないでしょうか。けれど更年期も同じように過ごす必要はもうありません。自分の心身に起きている変化に気づいて、余白の時間を持ち、出ている症状とも丁寧に向き合って、焦らずに整えていきましょう。 ──── 冷えがある、などの症状も、急にそうなったわけではなく、これまでの生活習慣の積み重ねが体に出ている、ということですよね。「更年期だから」と諦めたり、嘆いたりするのではなく、これまでの自分をニュートラルに見つめる大切な時間にしたいものです。 OCO:その通りですね。更年期=「自分をもっと深く知っていく期間」と捉えることで、とても豊かなものになっていくと思います。また、その後の時間も、とても潤いある時間へと繋がっていくのではないでしょうか。