ハリスを大統領に選ぶべき理由。男性の危機を救えるのは、逆説的に彼女しかいない
守り手として
この選挙は政策についてだが、価値観についてでもある。 2024年に求められる健全な男性性を一言で表すなら、「真の人間性」を表す「メンシュ」という言葉が最適かもしれない。ドイツ語では単に「人間」を意味し、イディッシュ語では「誠実で正直な人、正義感のある人」を指す。メンシュの第一の本能は、守ることだ。自分よりも大きな何かのために犠牲を払うことであり、弱者をいじめることではない。本物の男は酒場の喧嘩を始めない。喧嘩を止める。自分の国を中傷せず、守る。 ハリスの副大統領候補、ティム・ウォルツは州兵として長年勤務する中でその守りの本能を示してきた(J・D・ヴァンスも海兵隊員としてそうだった)。ウォルツはまた、ミネソタ州マンケートの高校教師とフットボールのコーチとして、LGBTQの生徒たちがゲイ・ストレート・アライアンスを立ち上げる際のアドバイザーを務め、守り手としての本質を体現した。 「フットボールを指導する、ストレートの白人男性である自分の立場が持つ意味を理解していた」と彼は最近語っている。「簡単な時に味方になるのは簡単だ。本当に重要なのは、困難な時に誰が自分の側に立ち、立ち上がってくれるかということだ」 民主党は若い男性へのリーチで失敗してきた。だからこそ、「米国のお父さん」タイプの副大統領候補を選んだことは重要な意味を持つ。フットボール選手とクィアの子どもたちの両方と話ができる、この白髪の候補者の起用は、その溝を埋める重要な一歩であり、原則の表明でもあった。男性の基本設定は、どんな状況でも守ることに向かうべきだ。
子孫を残す者として
男性性の三つ目の基礎的要素──いわば三本目の柱──は、種の存続を確実にすることだ。それは端的に言えば、セックスから始まる。 わたしが子どもの頃、母は「あまりに悪さをしすぎる」ことを心配していた。しかし今日の親たちは逆の心配をしている―子どもたちが十分な経験を得られないことだ。著名な医師のピーター・アティア※4とアンドリュー・ハバーマン※5は、健康リスクと過度の酩酊を理由に、アルコールとの戦いを始めた。だが若者の飲酒について、わたしは別の見方をする。それは人とのつながりを生むものだ。しかし、これは別の議論になるだろう。 わたしの世代はセックスを諦めなかった。しかし現代の若い男性たちは違う。不完全雇用に苦しみ、スクリーンに縛られた彼らは、勝者総取りのオンラインデート市場で拒絶されていると感じ、もう諦めている。若い男性の約63%が独身で、その多くはデートすら試みようとしない。 一方、若い女性たちは別の問題に直面している。彼女たちが「受け入れ可能」と考える相手の数は急速に減少し、その限られた候補をめぐって競争が激化している。ソーシャルメディアで拡散されたのは「金融マンと付き合いたい」という投稿だった。「実家暮らしの高校中退者と付き合いたい」という投稿ではない。この対比が、現代の婚活市場の現実を物語っている。