Web3マーケティングがクッキーを変え、インターネットを変える
忠誠心を持ったユーザーたち
鍵は他にもある。ブランド側の視点に立てば、ユーザーにトークンを与えることで、真の所有権を与え、つながりを強化することができる。 「人々をネットワーク内のオーナーにすることができた瞬間、彼らはもはや顧客ではなくなる。彼らはアンバサダーになる。そして、話し方も行動もまったく違ってくる」とノヴァエス氏。 だからノヴァエス氏のプロジェクトには、Web3トークン「EARNM」が備わっている。彼のWeb2での目標はユーザーを稼ぐ人に変えることだったが、Web3での今の目標は「稼ぐ人をオーナーに変える」ことだ。 Web3で多くの時間を過ごした人なら誰でも知っているように、トークン保有はコミュニティと忠誠心を築くことができる。これはブランドにとって力の源だ。かつて、大物VCのクリス・ディクソン(Chris Dixon)氏が言ったように、「誰かが何かを所有し、直接関与していると感じると、それについて話をしたくなる。伝道したがるようになる」。 ノヴァエス氏は、自身が運営するモードモバイルとEARNMコミュニティの驚くべき例をあげた。EARNMのウェブサイトで紹介されているように、EARNMのユーザーはトヨタ・カローラやランボルギーニ、あるいは世界最大のクッキーなどの賞品を獲得できる。だが、目立つ賞品は他にある。つまり、「トロール(荒らし)軍団のパワーを利用する」だ。 どうやってトロール軍団を利用するのか? ノヴァエス氏は、同社のメーリングリストには100万人以上の登録者がいて、彼らはとても熱心で、とても協力的で、喜んで指示に従い、意図したターゲットに対して荒らし行為を働くだろうと説明した。 「『ジェフのツイッターでこの絵文字を使って……』というようなメールを私が送ったとする。軍団はそれをやるだろう」(もちろんノヴァエス氏は、荒らし行為は合法なものでなければならないと明言した)。 しかし、荒らし行為が重要なのではない。トロールキャンペーンが悪の手に渡れば、あるいは正しい手に渡っても、有害なものになることは容易に想像できる。しかし、より重要なポイントは、コミュニティが非常に熱心で、非常に忠実なことだ。すべてのブランドはこれを切望している。 「あなたと足並みの揃った軍団がいる。それは本当に、本当に強力なことだ」とノヴァエス氏は語った。