Web3マーケティングがクッキーを変え、インターネットを変える
Web3マーケティングの問題点を克服する
Web3マーケティングが特効薬だと言っているわけではない。裏目に出ることもあり得るし、実際にそうなったこともある。「Web3には、極めて混迷を極め、持続不可能な側面もある」とノヴァエス氏。一部のWeb3プロジェクトがユーザーに無料の製品やサービスを惜しみなく提供し、短期的にしか機能しなかったように。 誰がこのマーケティングに資金を出しているのか? 多くの場合、報酬は高騰するトークン価格かプロジェクトの資金から与えられる。問題は、価格が下落し、資金が枯渇する可能性があることだ。「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)のようなことは何度も何度も起こるだろう」とノヴァエス氏は述べ、最近のエアドロップのトレンドは「持続可能ではない」と予測した。 ノヴァエス氏のプロジェクト「EARNM」は、「ミステリーボックス」を報酬とする巧妙なシステムでこの問題に取り組もうとしている。すべての人にトークンを配るのではなく、ユーザーはミステリーボックス(さまざまな種類の賞品が入っている)のロックを解除するためにミント(発行)手数料を支払い、このミント手数料がシステムに収益を注入し、デフレ圧力を生み出す。 そして、ミステリーボックス内の賞品には、トークノミクスをより持続可能なものにすることを目的とした、異なる「権利確定期間」が設定されている。 分散化の哲学的なメリットはさておき、Web2マーケティングの現状にはもうひとつ具体的な問題がある。それは、もはや効果的ではないことだ。 「ノイズを切り抜けるのは難しい」とノヴァエス氏は言う。あなたがスタートアップを運営していて、新しいキラー製品がApp Storeにあるとしよう。 「アプリを発表しても、なんの注目も集めないだろう。人々は気にも留めない。あなたの関心は、非常に様々なものによってスパムされている。だから、ユーザーを獲得するためのコストは上がる一方だ」とノヴァエス氏は指摘した。 たしかに、これはすべてまだ非常に理論的な話であり、規制や法的な懸念がどのようにイノベーションを複雑にするかはわからない。しかし、新しいWeb3製品は、理論的には、マーケッターに新しいツールキットをもたらす可能性があることも事実。そして消費者が実際にそれを楽しむ可能性がある。