半導体で独り勝ち「エヌビディア」の勢いはいつまで?【Bizスクエア】
――わずか11か月。1年にも満たないのに、企業の価値が3倍以上になった。世界の時価総額というとアップル・マイクロソフトだったが、時代の主役がエヌビディアに変わったということを意味してるのか。 早稲田大学ビジネススクール 教授 入山章栄氏: もちろんアップルもマイクロソフトもこれからも強いとは思うが、ポイントは「生成AI」。アップルもマイクロソフトもAIはやっていてビッグチャンスだが、AIは半導体がないと動かない。今のAIがものすごく高度になっているからこそ、それに対応できる半導体を作れるのがエヌビディアしかないという状態。結果「エヌビディア一強」になっている。 ――1つの転換点を迎えるということなのか。 早稲田大学ビジネススクール 教授 入山章栄氏: 「これから第2次デジタル競争の時代だ」という話をよくする。今まで第1次というのは日本企業も負けた。ただそんなに大したところで負けていない。スマートフォンという新しいデバイスが出てきた。その中が、すっからかんのホワイトスペースだったので、「プラットフォーマー」が、ネットワーク効果で「ワーッ」と取って代わった。しかしこの時代も飽和状態でだんだん終わりに近づいている。 例えばフェイスブックは厳しくなってきたので「メタバース」に行っている。なので、この時代が終了しだすと、次は何の時代かというと、IoTの時代。「Internet of Things」といって、ありとあらゆる物にデジタルがつく、例えば着ているこのジャケットに付くかもしれないし、機械に付くかもしれない。一番分かりやすいのが自動車の自動走行。そういうものにデジタルがつく。スマホの数は1人1個だとすると80億しかないが、ものは何千億とある。そこにデジタルとネットが付く時代なので、実は「もの作り」が強くないと勝てない。なので、日本の製造業もチャンスがあるかもしれないし、ものに半導体が入っていく時代。そうすると「世界中のものにエヌビディアのチップが入っていくだろう」と考える。