半導体で独り勝ち「エヌビディア」の勢いはいつまで?【Bizスクエア】
――売上利益ともに1年前と比べて「倍ゲーム」になっている。この1年前は既にもう「倍々ゲーム」に入っていて、普通は1年たてば前年同月比は落ちるが未だに続いている。しかもすごいところは、普通の企業の決算だと売上高と利益は左右でスケールが違うがエヌビディアは同じ。売上高の半分が利益。こんなことがあっていいのか。 早稲田大学ビジネススクール 教授 入山章栄氏: 3か月で3兆円の利益。とんでもないが、そのぐらい今、世界はエヌビディアのチップが欲しい。だからどんなに価格がつり上がっても買う。グーグルもテスラもみんなエヌビディアのチップを買っているという状態。エヌビディアにしかできない。なぜかというとエヌビディアというよりも「生成AI」の時代に転換したというのが大きい。 今までは比較的グーグルやアップルなどプラットフォーマーの時代だったが、今、主役がAIになってきた。特に2023年から出てきたChatGPTなど「生成AI」によってこれは世の中を変えるという点でもAIの需要が高まっている。ただこの生成AIは非常に複雑で様々な学習をさせないといけない。 エヌビディアのGPUの特徴は「並列処理」ができる。それがすごく強いのでとにかく今、エヌビディアの半導体を使わざるを得ないという状態になっている。来期の売上高(見通し)も375億ドルで、市場予想を上回る売り上げ予想を出した。その目玉になっているのが「ブラックウェル」。 次世代半導体「ブラックウェル」は生成AIに特化した半導体で、前世代と比べて最大30倍のパフォーマンスがあるだけではなく、消費電力は最大25分の1に削減されるとしている。価格は500万円から600万円で、第4四半期に出荷開始する予定だ。 今年、株価はどんどん上がって、2年間で10倍にもなっており、エヌビディアの時価総額が今年ついに世界首位に立った。2024年1月時点のエヌビディアの時価総額は世界6位だったが、現在はアップルやマイクロソフトを抜いて世界1位の約3兆6000億ドル、日本円にして、550兆円ほどとなっている。