現役ドラフトで日本ハム獲得したソフトバンク・吉田賢吾、前年同ドラフトで加入の水谷同様のブレーク目指す
出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるために導入された現役ドラフトが9日、非公開で開催された。日本ハムは、ソフトバンクの2年目・吉田賢吾捕手(23)を獲得した。強打が持ち味の若手で、同じく現役ドラフトで加入した水谷瞬外野手(24)と同学年の00年度生まれでもあり、水谷同様にブレークを目指す。 また一人、“ミレニアム世代”の力が加わった。2年目捕手の吉田は、昨オフに同じくソフトバンクから現役ドラフトで加入し、ブレークを果たした水谷と同学年の00年世代。今回の移籍を前向きに受け止める。 「自分の同世代の選手が物凄く活躍している。水谷の話を聞いてるだけでもワクワクするような球団。結果を出すのがこの世界は大事。チャンスだと思っていきたい」 万波や野村、新加入の古林睿煬(グーリン・ルェヤン)も加え、同学年は11人目で、チームの中心を担う世代だ。さらに、ソフトバンクからの現役ドラフト組は水谷だけでなく、阪神・大竹も新天地で2年連続2桁勝利をマークするなど2年連続でブレーク。「波に乗れたらというのはあるけど、2人は自分たちでつかんだので自分次第。新たな場所で新たな生き方を見つけたい」と地に足をつける。 知らせは突然だった。車を運転中に着信があり「何かやらかしたのかなと思った」。20日ほど前に退寮したばかりで、この日は横浜市の実家への帰省を予定。カーフェリーを予約しており「今日帰れるか分からない」と苦笑い。再び、引っ越しを余儀なくされるが「友人関係は引っかかるけど、しょうがない」と受け止めた。 桐蔭横浜大時代は、神奈川大学リーグでMVP2度、打点王3度、首位打者1度を誇る強打者。今季は代打と指名打者のみで10試合の出場だったが、7月5日の楽天戦でプロ初安打をマーク。ウエスタン・リーグでも79試合で2年連続打率3割超えの・303で、3本塁打、33打点とポテンシャルは高い。 木田優夫GMは「バランスのいい打撃は可能性を秘めている」と期待。さらに、「守備は捕手と一塁だけど、うちは“捕手登録なのに”というのがいっぱいいる」と言う。柔軟な選手起用をする新庄監督の下、今季は主に三塁で出場した郡司やDHと一塁もこなすマルティネスらがおり、捕手が本職でも他のポジションで活躍できる土壌がある。「来年が勝負というのは分かっていた。本当に野球人生最後と思ってやりたい」と吉田。北の大地で飛躍を遂げる。 ◇吉田 賢吾(よしだ・けんご)2001年(平13)1月18日生まれ、神奈川県出身の23歳。横浜商大高―桐蔭横浜大。高校3年夏は4番・捕手で県大会準決勝で桐光学園に敗退。大学では1年春からリーグ戦出場。22年ドラフト6位でソフトバンク入団。1メートル81、94キロ。右投げ右打ち。