今日W杯へ正念場の豪州戦…吉田麻也が「出場を逃せばサッカーに携わるすべての人たちの死活問題になる」と語った真意とは?
対照的に3試合で7ゴールと、グループAを含めた12ヵ国中で最多得点をマークするオーストラリアは、2次予選から無傷の11連勝と勢いに自信を融合させて臨んでくる。 現役時代にサンフレッチェ広島で森保監督とともにプレーし、2014シーズンにはベガルタ仙台を率いたグラハム・アーノルド監督も11日の公式会見に登壇。FWアダム・タガート(セレッソ大阪)やFWミッチェル・デューク(ファジアーノ岡山)らを通じて、森保ジャパンに関するさまざまな情報も入手していると胸を張った。 「我々は日本を長い間スカウティングしているが、ここで日本の弱点を言ってしまえば私は愚か者となる。我々が集中しなければならないのは自分たちのことだ。選手たちがフィジカル面とメンタル面で、準備が整っていることを確認することが重要だ」 スカウティングにおいては硬直化した先発メンバーとシステム、途中交代の時間帯や顔ぶれなど森保ジャパンほど読みやすいものはない。手腕が疑問視される原因にもなっている点も問われた森保監督は、「これまでと考え方は変わらない」と言い、こう続けた。 「我々が勝つためにベストのメンバーを選ぶ。戦い方が変わっていないと見られるかもしれないが、対戦相手が毎回異なるなかで、オーストラリアは個々の選手のフィジカルが強く、技術も高く、戦術的にも非常に組織だった戦いをしている。相手のストロングポイントをできるだけ消して、ウイークポイントを突けるようにしていきたい」 ともに0-1で敗れたオマーン戦とサウジアラビア戦では、森保監督が思い描いている戦いを具現化できなかった。短い時間での修正がかなわず、過去のアジア最終予選で1勝4分け1敗、日本の得点6に対して失点5と常に拮抗した戦いを演じてきたオーストラリアに屈せば、点滅している黄信号が限りなく赤に近づく。 カタールワールドカップ出場権を自動的に手にするのは、グループAおよびBの上位2ヵ国。オーストラリアとの勝ち点差が9ポイントに開き、日本時間13日未明に中国と対戦するサウジアラビアも勝って連勝を4に伸ばすと考えれば、現実的な目標をグループAの3位と対戦するグループBの3位に下方修正せざるをえなくなる。 そのアジアプレーオフを勝ち抜いた先には、大陸間プレーオフ(詳細未定)というさらに険しい道が待つ。もちろんオーストラリア戦を落とせば森保監督の進退問題が日本サッカー協会内でも頭をもたげ、チームを取り巻く状況を変える意味でも解任は避けられなくなる。さまざまなプレッシャーを背負いながら、日本は運命のキックオフを待つ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)