今日W杯へ正念場の豪州戦…吉田麻也が「出場を逃せばサッカーに携わるすべての人たちの死活問題になる」と語った真意とは?
おりしもロシアワールドカップ後に日本代表を引退し、いま現在は現役選手とカンボジア代表の実質的な監督の二足の草鞋を履く本田圭佑(35・スドゥバ)から、ツイートを介して「大いにこの逆境を楽しめ」とエールが届いた。 森保監督に先駆けてオンラインの囲み取材に応じた吉田は、ヨーロッパでプレーする選手の数が飛躍的に増え、全体として力をつけたはずの日本から余裕が感じられなくなっている理由を問われると、本田の檄を踏まえながらこう語っている。 「本田さんが言うようにこういう状況を楽しむのも大切だけど、一方で現状に対する責任をしっかりと受け止めて、自分たちがまいた種は自分たちで取り返すと肝に銘じて戦わなければいけない。学生時代には先生から『楽しむ、をはき違えるな』とよく言われた。楽しむためにはファイトするベースがなければいけない。ベースを取り戻して初めて余裕あるプレーが生まれ、楽しむことにつながると思っている」 吉田はサウジアラビア戦後に、もしもアジア最終予選で敗退すれば「自分自身もそこが区切りになる」と、代表を引退する覚悟があると明かした。オーストラリア戦を控えたオンライン取材では、チーム全体としての覚悟にも言及している。 「自分たちの結果が、日本サッカーの将来に直結すると理解しなければいけない。ワールドカップに出る、出ないは僕たちだけでなく、サッカーに携わるすべての人たちの死活問題になる。オーストラリア戦の意味も、その後の一戦一戦の意味も、アジア最終予選を突破する意味も非常に大きい。それだけのものが自分たちの背中にのしかかっているのは事実であり、そのプレッシャーを力に変えて戦っていかないといけない」 ピッチ上に目を向ければ、3試合でわずか1ゴールにあえぐ得点力不足を解消しなければ勝機を見出せない。帰国翌日の9日から、吉田は「距離感」と「サポート」という言葉を介して、選手間の意識改善に努めているとも明かした。 「積極性を取り戻さなければいけない。そのためには選手間の距離が大事になる。ボールを持ったときに2つ、3つのオプションが常にあるような状態を作り出さないと。ボールを持って『さあ、どうしよう』ではテンポが上がらないし、相手も守りやすい。距離感を取り戻すには、サポートのスピードを速くしなければいけない。一歩、二歩の違いで全然変わってくる。選手間だけでなく、もちろん監督とも話しています」