いつが旬?じつは知らない「おいしいうなぎ」の3つのポイント…《オスかメスか》《養殖か天然か》《夏か冬か》が分かった
うなぎが一番おいしい季節
魚は産卵のためにたくさんの栄養を蓄えます。ですから魚は、一般的に産卵前が最もおいしいといわれています。うなぎも例外ではありません。秋から初冬は脂のりが良く、食感も やわらかくなります。天然うなぎに関しては、現在もその常識が生きています。 平賀源内が広めた「本日丑の日」によって、うなぎのおいしい季節論争は複雑化しています。ご存じの方も多いと思いますが、現在流通している活鰻の99%が養殖うなぎです。しかも1970年代に普及したハウス式温水養殖池のおかげで、夏の土用の丑の日前に大量出荷が可能になりました。 栄養価の高い餌を与えて育てるので、脂のりも良く、やわらかいうなぎです。多くの方がうなぎに抱いている「やわらかくておいしい」というイメージは、夏の養殖うなぎのことなのです。 ひと昔前まで、秋から冬以降の国産養殖うなぎはうま味が増す反面、皮が硬くて調理がしにくく職人泣かせでした。しかし、最近は養殖技術の進歩と、こだわりを持ってうなぎを育てる人たちのおかげで、秋以降もおいしい養殖うなぎが出荷されるようになりました。 養鰻場を営んでいる方を池主さん、管理している方を池守さんと呼びますが、私が出会った池守さんの中には並々ならぬこだわりを持っている方が多く、これは池守というよりも養鰻家と呼んだ方がしっくり来ると、私は「養鰻家」と呼び始めました。うなぎファンの中には、推しの養鰻家のうなぎを出荷順に一番仔、二番仔と呼んで味わいの違いを楽しむ方もいるほどです。 養殖うなぎがほとんどとなった現在は、夏のうなぎは身がやわらかく、秋冬のうなぎは皮が締まってうま味が増して脂ののりがよくなります。 つまり年間を通して季節ごとにそれぞれのおいしさが味わえる、というのが令和のうなぎ事情なのです。そもそも土用は年4回ありますから、うなぎ大好きな筆者としては、年4回、季節ごとの土用に、うなぎを楽しむことをお勧めします。