いつが旬?じつは知らない「おいしいうなぎ」の3つのポイント…《オスかメスか》《養殖か天然か》《夏か冬か》が分かった
毎年年末に発表される「今年の一皿 」をご存じでしょうか。 株式会社ぐるなび「今年の一皿」実行委員会主催、農林水産省・文化庁・観光庁・日本政府観光局後援で、優れた日本の食文化を人々の記憶にとどめ、より豊かな食の未来の進化、発展につなげるため、その年の世相を象徴する食を発表しています。 【マンガ】日本人はヤバい…オーストラリア人が「日本のうなぎ」に漏らした衝撃の感想 選出方法は、飲食店情報サイト「楽天ぐるなび」の検索行動履歴などのビッグデータから抽出したワードをもとに、ぐるなび会員を対象としたアンケート、及びメディア関係者(85社102媒体127名)の審査を経て、決定。2024年、「今年の一皿」に選ばれたのは「うなぎ」でした! なぜ2024年=「うなぎ」なのか、その理由をお知らせしましょう。この記事では、高城久・著『読めばもっとおいしくなる うなぎ大全』から抜粋して、知ればもっとおいしくなるうなぎの最新情報をお届けします。
2024年は400年のうなぎ史の中でも、特筆すべき局面を迎えた!
2023~4年は、うなぎのニュースがたくさん生まれた年でした。その中から、注目度の高いものをあげると、次の4つでしょう。 (1)大阪・道頓堀川でニホンウナギを捕獲 (2)近畿大学がニホンウナギの完全養殖に大学として初めて成功 (3)女性職人の育成に力を入れているうなぎ専門店増える (4)ハイテク機材でうなぎ職人なしのチェーン店登場 これらのニュースを読み解くカギはうなぎの資源問題と職人不足です。 まず、(1)のニュース。都会の真ん中でニホンウナギが生息していたのは、うれし いニュースです。ずっと青森が北限とされていた天然うなぎですが、気候変動の影響か、2022年には北海道で捕獲されたという驚きのニュースもありました。 次に(2)の完全養殖について。うなぎの完全養殖(人間が育てた親魚から仔魚を得る)は大変難しく、2010年に現在の国立研究開発法人水産研究・教育機構が世界で初めて成功していますが、それに続く快挙です。 そして、(3)の女性職人のニュース。うなぎ屋が廃業するほとんどの原因は、後継者不在、職人不足です。女性職人にはぜひがんばってほしいと思います。 (4)のハイテク機器のうなぎチェーン店は、天丼の「てんや」、とんかつ・ かつ丼の「かつや」のうなぎ版ですね。私はうなぎを食べる機会が増えるという点で、喜ばしいことだと思います。 そしてこれが、職人のいる店へ足を運ぶきっかけになってくれたらうれしいです。なぜなら、職人が焼くうなぎは、確実にさらにおいしいからです。うなぎの食文化は、うなぎなしには語れないのが当然なのと同様に、職人なしには語れません。 さて、コロナ禍はうなぎ職人に影と光をもたらしました。影は、営業自粛を機に引退した ベテラン職人が何人もいること。一方、光の部分は時短営業でできた時間を若手職人たちが 有効利用したこと。 新メニュー を開発したり、勉強会を開いて技術を学んだり、東西を超えて情報交換をしました。関東の若手職人の店に関西風メニューが増えていたらその効果かもしれません。うなぎ資源とうなぎ職人、うなぎ文化の継承にはどちらも欠かせません。