考察『光る君へ』34話『源氏物語』が宮中を席巻!光る君のモデル探しに公卿たちも夢中、一方まひろ(吉高由里子)のおかげで出世した惟規(高杉真宙)は危うい恋の垣根を越えようとしている?
若紫!
まひろは道長から贈り物である檜扇を取り出して、初めて出会ったあの川辺を思い出す。 「恋しいあの人の傍でずっとずっと一緒に生きていられたら一体どんな人生だっただろう」 音楽が止まり、まひろの視線の先に小鳥を探す少女の姿が。そして降ってくる物語──このドラマは、作品が生み出される「その時」の描写がとても美しく印象的だ。 急ぎ筆を取り走らせる、その一節は、 「雀の子を犬君が逃がしつる。伏籠のうちにこめたりつるものを」 若紫!『源氏物語』ヒロイン誕生の瞬間であった。 しかし「恋しいあの人の傍でずっと共に生きていられたら」という発想で生み出された女性の人生があのようになってしまうとは……このドラマでは、これから一体どんな展開が待ち受けているのだろう。
道長は無事に帰ってこられるのか
斉信と道綱の屋敷の火事、敦康親王の病。不吉なことが続いた上に中宮様の懐妊を祈願する目的もあって、道長は吉野の金峯山に御嶽詣を思い立つ。お供いたします! と言う嫡男・頼通(渡邊圭祐)、100日間の精進潔斎・あらゆる欲を絶つと聞いて「うーん……」迷うんかい、できますと即答せんのかい、とちょっと笑った。性格が掴みやすい。 そして、道長が都を離れると聞いて「またとない機会」となんらかの企てをしている伊周……目配せされて立ち上がったのは、平致頼(たいらのむねより/中村織央)! 33話で伊勢守就任を道長が強く反対していた平維衡(たいらのこれひら)と、幾度も武力衝突を繰り返した男である。ドラマの人物紹介では「軍事貴族」とされている。きな臭い……! 道長は無事に帰ってこられるのか。というところでつづく! 次週予告。 あかねさん(泉里香)再登場。惟規、神の斎垣を越えちゃったらしい。思ってたんと違う御嶽詣。えっ、こんなハードなの? 道長一行あやうし!? 隆家(竜星涼)「どうぞご無事で!」一体誰に別れを……。帝「いつの間にか大人になっていたのだな」お気づきになったか! 中宮・彰子、ついに告白ですか!? ていうかここまでの感情の爆発は初めてでは。 35話も楽しみですね。 ******************* NHK大河ドラマ『光る君へ』 脚本:大石静 制作統括:内田ゆき、松園武大 演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろう 出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、見上愛、塩野瑛久、岸谷五朗 他 プロデューサー:大越大士 音楽:冬野ユミ 語り:伊東敏恵アナウンサー *このレビューは、ドラマの設定(掲載時点の最新話まで)をもとに記述しています。 *******************
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